ラベル 第一話 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 第一話 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010年8月7日土曜日

第一話:伏線?セリフ集

 
(伊達の後ろ姿を見ながら)

あすか「怒ったことがないなんて嘘」

久遠「え?」

あすか「あの人の背中すごい怒ってる」

***********************************************************

久遠「満くん的にされてたんだよ。改造銃の威力を試すためにね。頬に泣いた跡が残ってた。怖かったろうな。どんなに泣き叫んでも、誰も助けてくれなかったろうし。…殺してやりて」

***********************************************************

あすか「満くんの両親、なんかギクシャクしてましたね。実は、私もあったんです。ああいうこと。昔、兄が殺されたんです。それで家族の中で何かが歪んで。壊れて…」

伊達「あれ、宮城くんのお兄さんって」

あすか「はい!宮城夏樹です、捜査一課にいた」

伊達「ああー」

あすか「課長から聞きました。兄とコンビを組んでたって」

伊達「宮城とは同期だった。優秀な刑事だったよ」

あすか「…早く事件解決しましょう!被疑者不明のままじゃ遺族はずっと苦しみ続けることになりますから」

***********************************************************

<25年前>

(灘木、自分に包丁を突きつけている伊達に銃口を向けて)

灘木「これで俺を差すつもりだったのか。いい度胸してんじゃねえか。刺してみろ、親父とおふくろ救いたいんだろ?…刺せよ、刺せって!」

(伊達は灘木を刺せない)

灘木「時間切れだ」

(灘木、伊達の両親を射殺する)

灘木「おまえが俺を刺してれば2人は助かったのになあ?おまえのせいだ。おまえが殺したんだ」

(灘木、伊達の両親の遺体をコンクリート詰めにしはじめる)

灘木「坊主、世の中正義なんか通用しねえ。悪党を倒してえんなら悪に染まるしかねえんだよ」

(伊達、灘木を背後から刺す。灘木倒れる)

灘木「小僧…」


***********************************************************

井筒「眠れねえのか?」

伊達「…課長は殺したいほど憎い相手っていますか?」

井筒「刑事部長」

伊達「即答ですね」

井筒「ふふん。でも殺さない。それが人間ってもんだ」

伊達「もし殺したら?」

井筒「そいつは人間じゃねえ。バケモンだ」

***********************************************************

(あすか、男子トイレに踏み込み、個室をドアをノックもせず開ける)

あすか「課長!」

井筒「(個室で隠れタバコ中)…あ、びっくりした」

あすか「なんですかこの調書!これじゃ木内に非がないみたいじゃないですか!納得できません」

井筒「別に君が納得しようがしまいが関係ないの」

あすか「だったら直接上に掛け合ってみます!」

井筒「やめとけ。警察辞めたくないだろ?」

あすか「このまま黙ってなんていられません!目の前に満くんを殺した犯人がいるんですよ!弱きを守るのか警察じゃないんですか?私は許せません、絶っ対に!」

(井筒、あすかの顔の横の壁を拳で叩く)

井筒「俺達はねえ、特別な力を持っているわけじゃない。所詮ただの人間だ。逆らえない相手だっているし限界だってある」

あすか「…じゃあ木内は誰に裁かれるんですか」

井筒「さあねえ、正義のヒーロー、じゃないかな?」

***********************************************************

井筒「おまえどう思う?こうして犯罪者が野放しされる世の中」

伊達「……」

井筒「…やりきれないねン」

***********************************************************

被害者の父「犯人を殺しても満が帰ってくるわけじゃない。そんなこと誰も望んじゃいない。わかってる。わかってるんだ。でもだったら、この怒りや悲しみを誰にぶつければいい?犯人が捕まるまで俺達の時間は永遠に止まったまんまだ。そんなの、たまんねえよぉ」

伊達「河相さん、…あなたが犯罪者になっちゃいけない」

***********************************************************

(被害者家族を心配するあすかに)

伊達「大丈夫なわけがない。苦しみは続く。なのにその痛みを和らげてやることは出来ない」

***********************************************************

久遠「どこ行くの?」

伊達「帰るんだよ」

久遠「さすが仏の伊達さん。凶悪犯にも優しいんだね。また犠牲者が出るかもしれないっていうのに」

伊達「警察では木内は裁けない」

***********************************************************

伊達「満くんの痛みを家族の苦しみを今度はおまえが味わう番だ」

犯人「なんだよ!俺を殺して英雄気取りかよ。刑事がそんなことしていいと思ってんのかよ!」

伊達「法から逃れたものを裁く。それだけだ」

犯人「頼むよ、撃たないでよ、助けてよう!」

伊達「お前に明日は来ない」

***********************************************************

→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

2010年7月17日土曜日

第一話:3バカ

冴子に「馬鹿3人衆」と称された来栖、堀田、轟もなかなかいい味を出している。

伊達の同期で伊達に変わって班をまとめている来栖は絵に書いたような班長刑事タイプ。階級は警部補で警部の伊達には大きく差を開けられてしまっている。
イマイチ頼りない伊達に文句ばかり言っているが別に伊達が嫌いという訳ではない様子。伊達が班長の仕事をやらないから自分がやっているという感じだ。伊達のほうもこれ幸いと来栖にお任せ状態。もしかすると実務で一番ハズレくじを引いてしまう損なタイプかもしれない。
あすかの兄夏樹とも同期だった筈だがその辺りのエピソードで来栖という男が肉付けされていくと良いと思う。

来栖の部下で32才の巡査部長堀田はそろそろ警部補に昇進しようかという年齢だ。来栖と組んで仕事をすることも多いようだが、来栖や轟と違って人懐っこさを感じさせるキャラクターである。
いつも来栖の後ろで難しい顔をしている堀田だが根は人のいいタイプなのだろう。
今回は捜査一課の打ち合わせに口を出す久遠を「部外者は黙ってろ」と叱り飛ばすシーンがあったが、マイペースでナチュラルに甘えた雰囲気を持つ久遠にすっかり負けてしまっていた。恐らく堀田のようなタイプは久遠や井筒のようなマイペース人間が相手だと自分のペースを守れないのだと思う。
堀田には井筒や久遠との絡みで堀田らしい人間味を見せて欲しいと思う。

24才の巡査部長轟はスマートで育ちのよさを感じさせるキャラクターだ。
階級は堀田と同じだが堀田がノンキャリアのイメージであるのに対し、轟は準キャリアっぽい雰囲気がある。
久遠とは年齢が近いから話もそこそこ出来るかもしれないが伊達とは全く合わなそうだ。恐らく一番普通に話が出来るのはあすかだろう。
熱血あすかとは正反対の性格に見えるので、その辺りを活かしたあすかとの絡みが見てみたい。

来栖、堀田、轟が「3バカ」なら、伊達、久遠、あすかは「3問題児」。上司にしてみればどっちも面倒くさい部下たちだが、井筒は面白がって見ているだけに違いない。この2組の絶妙なコンビネーションを見せるエピソードを期待する。


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第一話:デコボココンビ

生真面目な新人刑事あすかに何かとちょっかいを出す久遠だが、あすかを演じる杏の身長が久遠を演じる錦戸の身長よりもだいぶ高いためどうにも据わりが悪い。
「今夜2人で歓迎会しない?」などと口説き文句を連発してみてもあすかのほうが貫禄がありすぎて、中学生が新任の女の先生をからかっているようにしか見えない。
しかしコンビネーションが落ち着いてくれば非常に面白いデコボココンビに化けそうだ。

初回前半はハイテンションなチャラ男ぶりが目立った久遠だが、後半のテンション抑えめなチャラ男ぶりのほうが一癖二癖ある男の印象が残った。
猪突猛進なあすかがナチュラルにテンション高めであるぶん、久遠はテンションをあえて上げず、冗談か本気かわからないテンションで時と場所を構わず思いつくままに口説き文句を垂れ流すほうが久遠らしいだろう。

一方のあすかには適当に言っているだけの久遠の口説き文句など、「ガン見?」「仕事ですから」のノリで、基本あっさりと聞き流して欲しい。
チャラ男を演じている久遠にとって絶対に落ちない女あすかは気楽な相手にちがいない。
やや色気に欠けるコンビではあるがストーリーの牽引役としては最適なコンビだ。


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第一話:被害者一家と伊達・久遠・あすか

伊達の回想と夢で伊達の子供時代の出来事がある程度明らかにされた。

両親を助けようとヤクザの男に包丁を向けた幼い伊達は「殺せるものなら殺してみろ」という男に怯んで立ちすくむ。男は薄ら笑いで伊達の両親を殺し「おまえが俺を殺さなかったからおまえの両親は死んだ。おまえのせいだ」「悪を倒すには悪になるしかない」と嘯く。
その後両親の遺体をコンクリート詰めにする男を包丁で刺し殺すシーンがあるが、それが現実か伊達の願望が見せた夢であるのかどうかは今のところわからない。

今回の被害者が7才の少年だったのは、伊達が少年時代の出来事を回想するのに合わせたものだろう。
子供時代に感じた怒りと悲しみが、無残に殺された少年とその両親の慟哭によって呼び戻される。「どうしても殺したい相手がいたらどうするか」、その問いに井筒は「殺したら人間でなくなる」と答える。
伊達の両親の事件を知る井筒の言葉と考えると、井筒は伊達の温厚な笑顔の下にある抑えがたい怒りと殺意を感じ取っているのかもしれない。

今回伊達は凶悪犯を殺さなかった。それは殺したい欲求をギリギリで抑えた結果なのか、それとも最初から殺さないで島送りにする予定だったのか。もし最初から島送りにするつもりだったのなら二面性も葛藤も大して必要ではないだろう。

凶悪犯を撃った後、伊達が遺族に何らか報告をしているのも謎だ。遺族が新しい一歩を踏み出そうと決意し、伊達によろしく伝えて欲しいと深々と頭を下げているところをみると、伊達は遺族が納得いく形で犯人が罰せられたことを伝えているはずだ。

もし犯人は殺しましたと担当刑事から連絡を受けて、殺してくれてありがとうと遺族が深く感謝したのだとすれば、その遺族もかなりおかしな感覚の持ち主である。それまでの慟哭を見ても、この遺族は子供を深く愛していた普通の両親だ。普通の両親が納得いく形の処罰であればそれは合法的なものだろう。

「犯人の父親が検察の偉い人なので表立っては裁けませんが、ここだけの話警察には裁判なしに処罰を与えることが出来る裏の組織があるんですよ。犯人はそっちに送っておきました。あ、この話は誰にも言わないで下さいね」なんて報告であれば遺族も受け入れられるかもしれない。
しかしもしそんなもんが警察にあったら恐ろしい話だ。法が人を裁くのではなく、まさに人が人を裁くことになる。いわば組織ぐるみの私刑だ。そこに正義などない。

そのことを伊達は重々承知していながらも凶悪犯への激しい怒りを押えきれず、結局組織ぐるみの私刑に加担してしまい思い悩む、というのであれば展開としてまあ理解出来なくもない。しかしそれであれば初回に登場すべきキャラクターがもっといる筈だ。

最初から伊達が凶悪犯を殺すダークヒーローだったなら、堺は伊達一義を二面性も狂気もそなえた底のしれない刑事として演じただろう。しかし第一話に登場した伊達は人としての等身大の感覚を持つ感性豊かな男だった。

正直初回にして無法の番人としての伊達一義というキャラクターがドン詰まった印象があるが、ここは謎の多い久遠に活躍してもらって活路を開くのが一番てっとり早い。


初回ではバックボーンについて全く触れられなかった久遠だが、錦戸はストーリーラインの邪魔にならない程度に上手に久遠の内に秘めた怒りと底知れなさを匂わせてみせた。

捜査一課で「凶器は改造銃だとわかったが銃の特定は難しい」と零している頃、すでに久遠は凶器と同程度の殺傷能力を持つ改造銃を作り上げ、威力の確認と犯人の心情にまで迫っていた。

「満くん的にされてたんだよ。改造銃の威力を試すためにね。頬に泣いた跡が残ってた。怖かったろうな。どんなに泣き叫んでも、誰も助けてくれなかったろうし。…殺してやりて」

どんなに泣き叫んでも誰にも助けてもらえずなぶり殺しにされる子供の光景が、久遠の中に潜む何かに触れたのだろう。まだ容疑者も現れていない捜査の初期段階、警察官であれば「絶対に捕まえて法の裁きを受けさせてやる」というべきシーンで、久遠は犯人を「殺してやりたい」と言った。

伊達やあすかに比べて出番の多くなかった久遠だが、この「…殺してやりて」の一言で彼の中に潜む冷酷さと凶暴さを垣間見ることができる。
もしかすると久遠自身、被害者の少年のようにどんなに泣き叫んでも誰も助けに来てくれなかった経験をしているのかもしれない。

伊達の秘密に関してもおそらく久遠は気づいてしまっただろう。
鑑識課のはみ出し者ではあるが恐ろしいほど優秀な鑑識官久遠が、最後の現場で伊達のボタンを見つけて何も気づかない訳がない。
今回の神隠しに伊達が関わっていることを知った久遠がどう出るか。
どうも伊達と同じように私刑を行うようになる気がしてならない。もしかすると久遠は伊達が越えなかった一線をも越えてしまうかもしれない。

もし久遠が伊達と同じ道を歩む決心をするのであれば、久遠の心の傷も伊達に劣らぬ悲惨なものであると想像出来る。久遠については回を進めるごとに少しづつ明らかにされていくことだろう。
久遠がどう動くのかがこのドラマの面白さのひとつになる筈なので、視聴者が感情移入できるようなリアリティを持った役に育てて欲しいものだ。


被害者の少年に何かを重ねる久遠に対し、あすかは遺族の心情に自分の過去を重ねていた。
刑事で伊達とコンビを組んでいた兄夏樹が殺害された後の壊れていく家族の苦しみと悲しみを思い出し、遺族のために早く犯人を捕まえたいと願うあすかは、非常に真っ当な感性を持った刑事だった。

夏樹はなぜ殺されたのか、それに伊達はどう絡んでいたのか、2人と同期の来栖や伊達の恋人だった冴子が夏樹の死にどのような感情を抱いたのか、まだ何もわかっていない。
もしかするとそこにも伊達や冴子達の心に深い傷を残したような何かがあるのかもしれない。

あすかが兄の死についてどれだけ知っているのかはわからないが、いずれにせよあすかは兄の遺志を継いで刑事として生きることを決めた。その夏樹によく似たまっすぐな性格を伊達も井筒も微笑ましく見守っている。

あすかのまっすぐさが伊達や久遠にどう響くのか、それもドラマの見所のひとつだろう。


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第一話:正義とは何か

このドラマで何よりも気になるのは「正義とは何か」という哲学的なテーマを掲げたにも関わらず、脚本には非常に陳腐な思想しか現れてこないことだ。

第一話に関して言えば、立て続けに動物や幼い子供を改造銃でなぶり殺しにした挙句、謎のメッセージキューブと血の付いた遺品を遺族に送りつけるというイカれた犯人を追い詰めるも、親が検察のお偉いさんだったため圧力がかかり不起訴になる、というとくだりにそれが現れる。

そもそも社会不安を生む派手な凶悪殺人鬼が、検察のお偉いさんである父親の力だけで不起訴になるというところにリアリティがない。

政治家や企業家など独自で築いた権力をバーターに出来るならともかく検察官というのは所詮公務員だ。
上に上りつめようとすればするほど出世競争が激しくなり派閥の力学が大きく働くようになるので、階級が上の人間であればその力学を個人的利益のために利用しうる余地も生まれるという話に過ぎない。

しかし、仕事上で一度でもミスをしたら出世コースから外されて二度と元のコースには戻れないという官僚の非情な不文律から隠蔽体質になり「お互い様」の阿吽の呼吸が出来上がっていることは事実としてあるだろう。

今回の凶悪犯のように事件を隠しおおすことが難しいようなケースでは隠蔽工作自体が自分たちの首を締めることになりかねない。隠蔽を指示した方も同じことだ。隠蔽体質や「お互い様」思想は出世というエサの前にこそ生きるものであり、今回のケースはリスクがエサのうま味を越える。
視聴者がリアリティを感じられるラインとしては、事件発覚前に父親が退職金を満額貰って退職してこっそり天下り、マスコミには検察のお偉いさんの息子であることは報道しないよう箝口令といったあたりだろう。

現場を取材したとは到底思えないリアリティのない脚本にも関わらず、冒頭に「この作品はフィクションです。しかしこれをだたの作り話と受け取るか、現代の闇と捉えるかは貴方に委ねます」という文章を流すのも、脳内の敵と戦っている中学生のようでどうにもこうにも恥ずかしい。

正義を語るなら諸悪の根源である隠蔽体質に毅然とNOを叩きつけることこそが正義だ。
そしてそのことにより、隠蔽しようとした父親は社会的に裁かれ、息子が有罪となって刑務所の中で厳しくて惨めな服役生活を送る姿を見せることこそがカタルシスではないだろうか。

現にアメリカのドラマでお偉いさんの権力乱用をエピソードに組み込む場合はそのような展開になることが多い。
その結果として主人公の身近な人間が代償を支払うことになったとしても、正面から立ち向かい、痛みを受け入れながらもあるべき社会正義を実現しようとするからこそ「正義とは何か」という問いが生きるのだ。

ところが本作では上司の井筒、主人公の伊達、同僚の刑事たち全てが、簡単に権力乱用に従ってしまった。そんなことは許せないと井筒に直談判したあすかも結局のところ上司に逆らわず諦めてしまう。
彼らはそろって巨大な組織の理屈に振り回される被害者のような面持ちであったが、自浄作用が働かず隠蔽体質を肥大化させてしまっている責任の一端は、その組織の中にいる井筒にも伊達にもあすかにも確実にある。

保身のために立ち向かうべき相手に立ち向かわず「正義の味方」や「神隠し」を期待させた時点で脚本は社会正義というカタルシスを捨ててしまった。
ジョーカー(伊達)は社会正義のカタルシスを視聴者に与えるために暗躍する小気味良いジェスター(宮廷道化師)ではなく、個人的に許せないと感じた相手を罰を与える私刑人でしかなくなった。

個人的な仇討ちを認めない法治国家における私刑は結局のところ正義ではありえない。
法の上で人が人を裁くこと、社会的に裁かれることと、個人的な義憤で人が人を法を越えて裁くことは根本的に異なるのだ。
「正義とは何か」というテーマで脚本家は「酷い奴なら私刑したって正義」と主張したいのかもしれない。逆に1クールかけて「酷い奴だからって私刑していい訳じゃないよね」という多くの人が当たり前に感じていることをわざわざ伝え直したいのかもしれない。いずれにしても幼稚だ。

脚本は視聴者に私刑によるカタルシスを与えるために、こんなに遺族は悲しんでいるんだよ?犯人はこんなにイカれた最低最悪のヤツなんだよ?なのに君たちが持っていない権力というもので不当に守られてて泣き寝入りするしかない。こんなヤツ私刑にしちゃってもいいと思わない?というメッセージを送り続けた。

ジョーカー伊達は法から逃れた犯人を銃で撃ち必殺仕事人よろしく被害者の仇をうった。
気分が悪くなるほど送り続けたメッセージのおかげで、命乞い虚しく撃たれた犯人の姿にある種の爽快感を感じた人もいたかもしれない。
しかし犯人は殺されてはいなかった。おそらくは島流しか何かなのだろう。主人公をただの殺人者にしないための演出だろうが、必殺仕事人的な爽快感を感じていた視聴者は肩透かしを食らわされた気分だったに違いない。

これが、島流しの先には特殊刑務所があって伊達はそこに凶悪犯を送り込む合法的な捜査官だった!みたいなオチだったら最悪だ。もしそれがオチなら最初から島流し捜査官チームの話にしてしまったほうがまだ個性派の役者陣が活きただろう。
私刑ならいっそ伊達をただの殺人者にしてしまって、ハッピーエンドにはならなくても私刑と正義について追求したほうがドラマとしては深みが出た。

第一話で脚本自ら色々と退路を絶ってしまった感があるが、今後の展開で大化けさせることを期待したい。


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第一話:感想

主演の堺をはじめ上手い役者を揃えたことが功を奏して最後まで飽きずに見れた。話のテンポもいい。今クールは初回から期待外れ感が漂うドラマが多いが「JOKER」は今のところ合格ライン。
ただし脚本についてはイマイチ。役者も役を探っている印象がある。

捜査一課課長井筒将明役の鹿賀丈史は上手く含みをもたせて演技していたが、今後どう転がるかわからない主人公伊達一義役の堺雅人や、ストーリー展開の鍵となるであろう鑑識官久遠健志役の錦戸亮、鍵となるのかどうかもわからないバーのマスター三上国治役の大杉漣、伊達やあすかの兄と同期である刑事来栖淳之介役の平山浩行ら実力派俳優陣が、脚本を通じて役の心情にいかに早く入り込めるかがドラマ成功の鍵となるだろう。

逆を言えば彼らが役の言動に違和感を感じるような脚本では成功はしないということだ。
今回特に主人公役の堺にその違和感が見て取れた。その違和感を巧みに包んで演じたところは流石としか言いようがない。


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第一話:あらすじ

7歳の男児が銃殺されるという事件が発生し、神奈川県警捜査一課・警部の伊達一義(堺雅人)は、遺体発見現場に急行する。現場には、すでに鑑識課・巡査部長の久遠健志(錦戸亮)ら鑑識官が到着していて、証拠物の採取を行っていた。そんなところへ、捜査一課に配属になったばかりのキャリア刑事、警部補・宮城あすか(杏)がやってくる。

ジャケットにジャージという奇妙な格好で取り調べをする伊達を見たあすかに、久遠と来栖淳之介(平山浩行)は、あれが自分たちやあすかの上司だと説明。変わり者で、怒ったこともないから"仏の伊達さん"と呼ばれているという男を見たあすかは驚く。遺体と対峙していたその背中に、猛烈な怒りが立ち込めているのを感じたからだ。

その後の調べで、男児・河相満(貴島康成)は、改造銃で撃たれていたことが判明。犯人は、銃の威力を試すために、泣き叫ぶ満を的にして連射したのだ。その凄惨なやり口に、刑事たちの怒りは高まる。

そんな折、捜査一課・警視正の井筒将明(鹿賀丈史)に会ったあすかは、井筒から伊達があすかの兄・夏樹とコンビを組んでいた刑事だと聞く。

翌日、木内亨(細田よしひこ)という男が、自分が改造銃を作ったと出頭してきた。木内は、高校時代にいじめられていた新垣豪太(山根和馬)に強制され改造銃を作ったと自白。そして、新垣に呼び出され、銃の威力を試すといって満を撃つところを見せられたと言う。木内の供述通り、満の殺害現場には新垣の指紋が付いた改造銃が残されていた。来栖らは、目撃情報とも一致する新垣を逮捕しろ、と色めき立つが、伊達と久遠は何かがひっかかる。

一方、容疑のかかった新垣は、木内にハメられたと犯行を完全否定。しかし、素行が悪く補導歴もある新垣の供述は、品行方正で父親が検事という木内に比べ、信用性が薄い。新垣犯人説が高まり、新垣の逮捕状が取られることになった。

それでも、木内を疑う伊達は、再びやってきた満の殺害現場の状況が木内の証言と異なっていることに気づく。そんななか偶然にも、殺害現場の隣が盗撮用のカメラが仕掛けられた部屋だったことが判明する。すでにその映像テープを押収していた伊達は、久遠に再生を頼む。すると、空の部屋を映したビデオ映像から、泣き叫ぶ満に木内が発砲する音が聞こえた。しかし、音だけで木内の犯行を立証することはできない。

その後、取調べで木内に対峙した伊達はその映像を見せるが、木内は、これでは自分が撃った証拠にはならないと余裕を見せる。すると、伊達は木内に一枚の紙を差し出す。それは、木内の音声を解析したグラフで、銃声がしたとき、木内の声に震えが生じたことを表していた。発砲の衝撃で声が震えた――つまり、木内が引き金を引いたという証拠になるのだ。

そんなとき、取調室のドアが開き井筒が顔を出す。伊達を部屋の外に連れ出した井筒は、「木内の調書」と書かれた紙を出し、この内容で木内に同意させろ、と命じる。そこには事実と異なる記述がなされていたため、伊達は検察庁の圧力かと確認するが、井筒は決定事項だと一蹴する。

取調室に戻った伊達は、木内の前で、その調書を読みあげる。改造銃だと分からずに拾ったエアガンで、試し撃ちをしようと雑居ビルに入りカーテンを撃ったが、その奥に満がいるとは知らなかったため当たってしまった、と。それを聞いた木内は、その通りだと笑顔を見せる。

後日、満の父親・勇造(小市慢太郎)に呼ばれた伊達は、あすかとともに満の自宅を訪ねる。勇造は、木内が不起訴になったのは検察庁幹部の息子だからなのか、と怒りをあらわにする。返す言葉がない伊達が無言でいると、勇造の妻・美津子(中込佐知子)が差出人不明の小包を持って現れる。箱のなかには、血に染まった満の靴と「N」と書かれた小さなブロックが入っていた。さらに、箱の底が二重になっていて、下には盗聴器が仕掛けられていた。

その頃、木内は、近所のレストランで盗聴器をモニターしていた。満の靴を見て泣き崩れる美津子の声を聞き、満面の笑みを浮かべていたのだ。

その日の夕方、伊達が、三上国治(大杉漣)が経営するバーにやってくると、ルポライターの片桐冴子(りょう)が飲んでいた。木内が不起訴になった理由を勇造に話したのは、冴子だったのだ。元刑事で伊達の同僚でもある冴子は、警察の事情に通じているため、満の事件が未解決になるだろうと見越していた。本当に木内を逮捕できないのか、と聞いても答えない伊達に、「後は、神隠しを待つのみか」とつぶやく冴子。"神隠し"という言葉に反応した三上に、冴子は、それが法の裁きを逃れた者が突然いなくなる現象で、自分が現役だった頃からあった噂だと説明する。

同じ日の夜、伊達に会った久遠は、伊達から頼まれていた調査の報告をする。それは、ここ3ヵ月の間にペットを銃殺された飼い主の家に、ペットの遺品とアルファベットが書かれたブロックが盗聴器付きで送りつけられていた、というものだった。地図を広げ、被害にあった家をマークしアルファベットを並べていくと、「WORLD EN」となった。それは、「世界の終わり」を意味する「WORLD END」になると思われたが、最後の「D」はまだ見つかっていない。それまでの犯行現場は、1㎞の間隔で直線で結ばれていたため、次の現場も予想はできた。明日、木内が海外留学へ旅立つと知っていた伊達と久遠は、木内は今夜、犯行に及ぶだろうと確信。久遠は、伊達がどんな行動に出るのか気になるが、伊達は帰ると言って、その場を立ち去ってしまう。

その頃、改造銃を持った木内は、ブルーハウスにいるホームレスに照準を絞っていた。すると、そこへ伊達が現れる。伊達が改めて尋ねると、木内は満の殺害を自供した。そんな木内に伊達は、今度は満や遺族の悲しみをお前が味わう番だ、と言い放ち、木内から奪った改造銃の銃口を向ける。その冷淡な態度に、木内は恐れおののき命乞いをするが、伊達は「お前に明日はこない」と言い、引き金を引く――。

翌日、バーにやってきた冴子は、木内が行方不明になったらしいと三上に報告する。

その頃、手足を縛られ口を塞がれた木内は、真っ暗ななか、堅い床の上で目を覚ます。上半身を起こし目の前の小窓を覗いた木内は、自分が猛スピードで海を走るクルーザーのなかにいることを知る。

同じ頃、久遠は「D」地点を探し当て、ひとりでやってくる。すると、そこに、伊達の物と思われるボタンを発見する。

一方、伊達は、捜査一課の部屋で机に突っ伏し寝ていた。しかし、悪夢のような映像が脳裏によみがえり、カッと目を見開くと……。

(以上公式サイトhttp://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.htmlより)


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第一話:概要

放送日: 2010年7月13日
タイトル: 「CRIME1 2つの顔をもつ刑事…凶悪な真犯人を闇で裁く」
演出: 土方政人


<ゲスト>

木内亨: 細田よしひこ

河相勇造: 小市慢太郎

河合美津子: 中込佐知子

西山耕平: 矢柴俊博

河相満: 貴島康成

新垣豪太: 山根和馬

灘木: 斉藤歩

伊達(少年時代): 今井悠貴

河相満: 貴島康成 

伊達弘毅: 山本修

伊達光代: 千咲としえ

水上 妙子: 梅田絵里子


→目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円