2010年9月3日金曜日

第八話:伏線?セリフ集

(バーMikami。久遠を殴りつける三上)

三上「油断しやがって!なんのための見張りなんだ!」

(うつむく久遠)

三上「腕を撃たれたと言ったんだな」

久遠「ああ…、嘘かもしんねえけど」

三上「おそらく本当だろう。嘘なら殺されたって言えば済む話だからな。だが腕でも止血しなけりゃ、いずれは死ぬ」

久遠「やっぱ日向の仲間の仕業かな?」

三上「それは間違いないだろう」

久遠「だったら日向の後つければ?」

三上「無駄だ。それぐらい奴も読んでるはずだ」

久遠「じゃあどうすりゃいいんだよ」

三上「下手に警察を動かせば、俺達のやってることを何らかの形でバラすかもしれない。俺たちで探すしかない」

久遠「でも携帯の電源も切られてGPSでの追跡も出来ない。何の手がかりも…。あ。そういえば現場に血で”YT”って書かれてた」

三上「”YT”?」

久遠「伊達さんのメッセージかもしんない」

三上「わかった。それは俺が調べる。おまえはいつも通り本部へ行け」

久遠「何でだよ!俺のせいで伊達さんの命危ないのに」

三上「伊達の欠勤はそれなりに波紋を呼ぶ。おまえもいなかったら、それこそ騒ぎになんだろ!…伊達の居場所は俺が必ず探す。いいな」

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(日向、屋上から街を見下ろして)

日向「救世主は一人でいい」

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(捜査一課)

井筒「あれ?伊達は?」

来栖「それが連絡しても繋がらなくて」

滝川「無断欠勤が一度もないのが班長としての唯一褒められるところだったのにぃ」

井筒「しょうがねえなあ、じゃ、班長抜きでやるか」

来栖「わかりました」

(あすか、井筒を見つめる。昨夜、井筒の机から出てきた捜査資料の一部のことを思い出す)

来栖「じゃあ宮城。…おい!」

あすか「あ、はいっ」

来栖「何ボーっとしてんだよ」

あすか「すいません」

(あすか、昨夜の本牧スナック経営者殺人事件の説明を始める)

久遠「でも犯行現場には宮前の足跡があったんだよね?」

あすか「はい。地面にくっきりと残されていました。宮前の靴とも合致しています」

久遠「足跡は靴の種類を特定するだけじゃなくて、靴底の減り具合とかで犯人の割り出しにも有効だからね」

(轟、部外者の久遠が議事進行を取っているのを見てふくれっ面)

堀田「てか、何馴染んでんだよ」

久遠「(にっこり笑って)伊達さんの代わり」

(堀田、毒気を抜かれて負け)

井筒「となると動機のある宮前史人が怪しいか?」

「でも宮前には動機があります」

来栖「逆を言えばアリバイさえ崩せれば一発ってわけだ」

(日向がやってきて捜査資料を手にとる。それを見た久遠の表情が険しくなる)

日向「今度は本牧で殺人事件ですか。どう考えてもこの宮前史人という男の犯行でしょう」

来栖「決め手がねえんだよ。いくら限りなくクロでもな」

(久遠、険しい顔で日向の前まで歩み寄り、日向の手から捜査資料を奪いとる)

久遠「(馬鹿にした口調で)おまえに関係ねえだろ?」

(日向、怒りを込めた目で久遠を睨む。久遠、動じずに日向を睨みつけてから、元いた場所に戻る)

堀田「おまえもな」

(堀田、ごもっともなので勝ち)

日向「(井筒に資料を手渡しながら)江原殺しのその後の資料です」

井筒「はい、ごくろう。”悪人に制裁を”。神隠しって言われてる事件か。進展は?」

日向「いえ…特には。こんなこと言ったら不謹慎かもしれませんが、江原は会社の部下を殺害しています。正義の鉄槌が下ったんじゃないでしょうか?」

井筒「君は殺しを肯定するのか?ホシを捕まえるのが俺達の仕事だろう?」

日向「(少し慌てて)わかってます。失礼します」

(久遠、去っていく日向の後ろ姿をじっと睨みつける)

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<3年前>

(伊達の前に黒塗りの車が止まり、杖をついた灘木が降りてくる)

灘木「久しぶりだな、小僧。まさか刑事になってるとはな」

伊達「何の用だ?」

灘木「決まってるだろ、脅しに来たんだよ。人を刺して罪を逃れた奴が刑事をやってると知れたら世間はどう思うかな?…とりあえず1000万用意しろ」

(埠頭にて。伊達と三上)

三上「あのヤクザがおまえのところに来たということか」

伊達「三上さん、俺は、ずっとあの日から逃げ続けていたような気がするんです。あのときやっぱり罰を受けるべきだったんだ」

三上「…おまえの気持ちはわかった。少し時間をくれ」

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(車の中で久遠を待つ三上。久遠が助手席に入ってくる)

久遠「なんかわかった?」

三上「おまえが言ってた”YT”、イニシャルで調べてみたら、日向と同じ港北西署に吉住武徳という警官がいたよ。吉住と日向は腹違いの兄弟だ」

久遠「兄弟?」

三上「しかも2人とも幼い頃に母親を殺されてる。どちらも保険金殺人の可能性が高かったが立件は出来ていない。容疑者は2人の父親だ。…5年前に俺が裁いた」

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吉住「親父は他にも多くの連中を騙していた。俺達が警官になってやっと親父の居場所を突き止めたときにはもう神隠しにあっていた。俺達は親父に復讐するために今日まで生きてきたんだ。神隠しの真似事をしたのも、おまえらを誘き出して親父のことを聞くためだ。親父が死んでたらそれで踏ん切りをつけるはずだった。だが死んでないなら俺達が殺す。親父の居場所を教えろ」

(伊達の腕の傷をえぐる)

吉住「親父はどこだ!答えろ!」

伊達「おまえたちが裁いた容疑者は捕まえられるはずだった。殺す必要なんてなかった」

吉住「うるさい!俺だって本当はあんなことしたくなかったんだ!」

(伊達、どさくさにまぎれて携帯電話の電源を入れる)

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(バーmikami、冴子がいるところにあすかが入ってくる)

あすか「冴子さん、これ、兄の捜査資料から抜き取られていた1ページです。井筒課長のデスクにありました」

(冴子、資料を見る)

冴子「夏樹が殺害された前日からの足取り…」

あすか「けど、特に重要なことが書かれているとは思いません」

冴子「これ預かっててもいいかな」

あすか「はい。でもなぜ課長はこの1ページだけ抜き取ったんでしょうか?」

冴子「さあ。でもきっと何かある。ここからは慎重に動いたほうがいい」

あすか「はい」

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吉住「意地でも口を割らねえつもりか?それとも喋る気力もないか?…なんで殺さなかった?あんな親父死んで当然だ」

伊達「殺して全てが解決するのか?」

(吉住の携帯に電話が入る)

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(三上の車、伊達が監禁されている建築途中のビルの前で止まる)

久遠「どうやって助けるの?吉住いるんでしょ?」

三上「追い出せばいい」

久遠「そんな簡単に言うなよ」

(三上、久遠の左手を掴み上げて腕時計の時間を見る)

三上「そろそろだな」

久遠「何が?」

(吉住が建物から出て立ち去る)

久遠「吉住…まさかアンタが?」

三上「俺じゃない。吉住のいる所轄のトップだ」

久遠「どういうこと?」

三上「署長直々の呼び出しとあれば行かないわけにはいかねえからな」

久遠「あんた何モンだよ?」

三上「しがないバーのマスターだよ。ほら行くぞ小僧」

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(建物の中に入ると伊達が倒れている)

三上「伊達…」

久遠「伊達さん」

(三上、意識のない伊達の上体を起こす)

三上「伊達!しっかりしろ!伊達!死ぬんじゃねえぞ!おい!伊達!」

(久遠、携帯で救急車を呼ぼうとする)

三上「何してる?救急車呼ぶんじゃねえぞ?俺の知り合いの医者にみせる」

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(冴子、井筒に連絡を取り面会。井筒が隠していた捜査資料を突き出す)

冴子「夏樹の捜査資料で紛失していたページがあなたのデスクにありました」

井筒「忠告したはずだ。これ以上宮城夏樹の事件は追うなって」

冴子「あなたの言うとおり私はとんでもないところに足を踏み入れたのかもしれません」

(井筒、ため息をつく)

冴子「その捜査資料に書かれた夏樹の資料を追っていったら銀行で夏樹が貸し金庫を借りていたことがわかりました」

(井筒、顔を上げる。冴子、バッグから一枚のCD-ROMを取り出す)

冴子「その中にこんなものが」

(井筒の表情がいつになく苦いものに変わり、深く溜め息をつく)

冴子「この中身が何を意味するのか。教えてくれますか」

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日向「(美代子に向かって)もっと誇りに思ってほしいな!俺達がやってることは正義なんだ」

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(久遠部屋。日向を呼び出す久遠。宮前を殺したのはおまえだろうと言う久遠。その時間は美代子の家にいたという日向)

久遠「(日向の襟元を掴み上げて)どこまで遺族を利用すれば気が済むんだよ」

日向「離せよ。君たちがやってることバラしてもいいんだぞ」

久遠「(日向から手を離して)俺はおまえを許さない。絶対裁いてやる」

日向「言っとくけど、伊達さんにはもうムリだよ。迷ったら人を裁けない」

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吉住「おいどうなってるんだ!木本志保を殺したのはスナックのホステスだ!動機は怨恨、罪も認めた」

日向「そうみたいだね。まさか靴を盗んで宮前の犯行に仕立て上げようとしていたなんて」

吉住「よくそんな冷静でいられるな!おまえは何の罪もない人間を殺したんだぞ!」

日向「間違えて殺した宮前だって、たいした価値があったわけじゃない。社会のためにならない人間を殺して何が悪い?」

吉住「おまえ何いってんだ…?神隠しの正体は突き止めたんだ。後は親父の居場所を探せばいい」

日向「兄さん、僕たちは世の中に必要とされているんだよ」

吉住「いいかげんにしろ!俺は模倣犯を続ける気はない!」

日向「怒鳴らないでよ!…ちょっと落ち着こうよ」

(日向、吉住を毒入りミネラルウォーターを飲ませる)

日向「全部兄さんに被ってもらうから」

吉住「どうして…」

日向「アンタも僕の駒に過ぎないんだよ」

(吉住、絶命)

日向「僕は救世主だ」

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(伊達の病室で)

冴子「カズってさ、一度も私のこと名前で読んでくれたことないよね」

伊達「そうだっけ?」

冴子「そうだよ。”君”とか、”片桐くん”とか。そんなのばっか」

伊達「ああ~」

冴子「ああ~って、これだもん、上手く行くわけないよ。…後であすかちゃん来るんでしょ?これ渡しといてくれない?部屋掃除してたらさ、夏樹に借りてたCDが出てきて…」

伊達「なんかあった?」

冴子「ん?」

伊達「顔見ればわかるよ。一応元カレですから」

冴子「(一瞬迷った後おどけた風に)残念ながら単に化粧のノリが悪いだけ。じゃあそろそろ行くわ。またね」

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(伊達の病室。伊達、久遠、あすか)

久遠「仕事は?いいの?」

あすか「これから聞き込みです。お礼を言いに来ただけですから」

久遠「お礼?」

あすか「伊達一義病に感染させられたおかげでスナックの殺人事件の真相にたどり着いたんで」

(伊達、嬉しそうにうなづく)

あすか「それから”悪人に制裁を”…あの一連の事件も被疑者死亡でしたけど解決しましたし」

(伊達と久遠の表情が心持ち暗くなる)

あすか「でも本当に吉住巡査部長が神隠しの正体だったんでしょうか?私にはそうは思えなくて。神隠し…不思議な事件ですよね。いったい何のためにやってるんでしょうか?」

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<3年前>

(車の中。伊達、灘木の写真をめくる)

三上「奴の身辺を探ってみた。5年前に出所してから、おまえの親と同じように借金を背負った人を何人も始末してる。ムショに入っても何も変わらなかったって訳だ。だがパクろうにも証拠がない。死体を隠されちゃこっちも深くは突っ込めないからな」

伊達「そんな…」

三上「そこでだ。これから灘木に会いに行く」

(銃口を伊達に向ける)

三上「麻酔銃だ。こいつで奴を眠らせて、ある場所に連れて行く。そこに閉じ込めて一生自分の罪を償わせるんだ。世間には行方不明で片付けられる」

伊達「それって…」

三上「”神隠し”。警察の間ではそう呼ばれてるらしいな」

伊達「あなただったんですか」

三上「(薄く笑って)おまえなら判るはずだ。警察じゃ追い切れない現実があるってことを」

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(午後8時。誰もいない捜査一課。井筒が何かを決意したように振り返る)

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(青葉の第九倉庫、美代子を殺そうとする日向。そこに現れる伊達と久遠)

伊達「銃を下ろせ」

日向「(美代子に)あなたが呼んだんですか!」

伊達「これ以上罪を重ねるな」

日向「どうして邪魔ばかりするんです!僕はあなたの代わりにやってるだけじゃないですか。あなたは今迷っているはずだ。自分がやっている行いが正義なのかどうなのか」

伊達「俺がやっていることを正義だとは言わない。人は人を裁けない。だがそれでも裁かなきゃいけない現実がある。その重みを判らず人の命を奪うおまえのやり方は間違っている。それは罰することにはならない」

(伊達、日向に銃口を向ける)

伊達「おまえはただの人殺しだ」

日向「この女がどうなってもいいの?社会のクズを始末するのが僕たちの役目だろう!だったら片っ端から殺せばいい。多少の犠牲はしようがないよ」

久遠「俺も一歩間違えればおまえみたいになってた。でも伊達さん見て判ったよ。人の明日を奪うってことが、人を裁くってことが、どんだけ痛みを伴うものなのか。(軽蔑しきった口調で)おまえは伊達さんとは違う」

伊達「法から逃れた者を裁きながら俺はずっと自分自身を裁いていた。これからもそれは変わらない」

日向「そんな正義、僕は認めない!」

伊達「おまえに明日は来ない」

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(伊達に向かって両手を差し出す美代子)

美代子「捕まえてください」

伊達「あなたは今日ここには来なかった。日向とも知り合っていない。あなたには明日を生きてもらいたいんです。あなたが犠牲になることはない。元気な赤ちゃんを産んでください」

美代子「…ありがとうございます」

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(日向を車の後部に乗せて)

久遠「伊達さんの言ってたこと、やっと判った気がするよ。…俺はアンタにはなれない」

(複雑な表情の伊達)

久遠「早くマスターに引渡して、ラーメン食いにいこ」

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<3年前>

灘木「(老人の書いた遺書を見て)上出来だ」

老人「本当に、私が死ねば家族が助かるんですよね?保険金も」

灘木「ああ。だからはやくそれを飲んで楽になれ」

(老人、掌のカプセルを見つめる。そこへ三上と伊達が車で駆けつける)

灘木「サツが何の用だ?」

伊達「その人をどうするつもりだ」

灘木「俺は何もしちゃいない。ただのお付き合いさ。なあ?」

老人「私に構わないでください!」

(老人、カプセルを飲み込む)

三上「おい!」

(三上と伊達、老人に走り寄るが、老人は絶命)

灘木「ははは。そいつはな、自殺をしたんだ。あんたらが証人だ」

(伊達、灘木に麻酔銃の銃口を向ける)

三上「伊達、撃て」

(逡巡する伊達)

三上「おまえのやることは復讐じゃないんだ」

灘木「今度は包丁の代わりに銃か?撃てよ。撃ってみろよ」

三上「伊達!」

(伊達、灘木を撃つ)

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(午後9時。捜査一課にはあすかだけ。冴子から夏樹のものだと言って返されたCDを開くと、そこには「夏樹事件の真相が判るかもしれない。夜9時、根岸の穀物ビルに着て」というメッセージが。慌てて飛び出すあすか)

(一人穀物ビルであすかを待つ冴子。そこにゆっくりと靴音が)

(伊達の携帯に冴子から「ちょっと会えないか?」という電話が入る。様子がおかしいことに気づいた伊達は冴子の元に向う)

(久遠はいつもの待ち合わせの埠頭にいくと三上が待っていた。伊達がいないのは急用のためだと聞いた三上の表情が苦いものに変わる)

(穀物ビル。柱に寄りかかるようにして冴子が足を投げ出している。駆け寄る伊達)

伊達「どうした!」

(夏樹のときと同じように左脇腹を刺されている冴子)

冴子「あたしにしては軽率だったかなあ…」

伊達「何があった?誰にやられた?」

冴子「カズは知らない方がいい…。夏樹も、こうやって、殺されたんだね…」

伊達「(携帯を取り出し)救急車」

冴子「(それを止めて)いいよぉ、もうダメっぽいから」

伊達「何いってんだ。大丈夫だ。心配するな、必ず助かる。助けてみせる。だから…。だから、そんなこと言うなよ”冴子”」

冴子「はじめて名前で呼んでくれたね。カズ…正義ってなんだろね…」

(冴子、涙を零しながら伊達のほうを向いて微笑む)

冴子「(伊達に甘えるように)…カァズ…」

(冴子、絶命する)

伊達「(息絶えた冴子の顔に頬をよせる)冴子…。冴子…」

(あすか、到着)

あすか「冴子さん?」

(あすか、伊達と冴子に近づく)

あすか「伊達さん…?(冴子が絶命していることに気づく)…どうして…?」

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