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2010年8月25日水曜日

第六話:感想

いつか来るだろうと思っていたストーリーだった。話数は想像していたより早かったが、伊達たちの仕事が何であるかを再定義するためには重要な回だった思う。視聴率も前回の出来を見てどうかと思っていたが上げてきた。固定ファンがしっかり付いているようだ。
ただ脚本はプロットをそのままセリフにしたような出来であまり良くない。この脚本家であればもう少しプロットを整理して、役者の演技を活かす緩急をつけたいいシーンとセリフを生み出せる筈だ。練って推敲するだけの時間が取れないのか脚本に疲れが見えるのが残念だ。

構成に関しても今回は盛り込むべき内容が多くあった。しかし尺は変わらない。
であればプロット全てを無理矢理組み込むのではなく思い切ってバッサリ切って、伝えたいことだけを丁寧に描くほうが作品の質は保たれた。

演出もテンポが悪く、脚本の冗長さと相まって、散漫な印象を受けた。
それを補うようにBGMを多用していたが、俳優がきちんと良い演技をしているのにBGMで状況を説明しようとするのはどうにもクドい。
久遠の暴走を目の当たりにした捜査一課や鑑識の面々が、それこそ役名なしの俳優も含めて、それぞれの役の気持ちを伝えるいい演技をしていたのに、そこをガヤ扱いにしてしまったのも大変残念だった。
久遠と文弥のキャッチボールのシーンも、2人に会話させればいいところを、なぜアフレコにしたのか全く意味不明だ。

一方で久遠とあすかのシーンや、来栖と冴子のシーンなど、男女2人のシーンではいい雰囲気の絵が見れた。シーズン後半に向けて色っぽい展開かあるかどうかわからないが、あっても面白い。
文弥の転落現場に到着した伊達たちをすり抜けるように久遠が走っていったシーンも、赤いアロハの残像が鮮烈な印象を残す良いシーンだった。
久遠が文弥の頬を摘むシーンも、遺体になったときだけ摘み方を微妙に変えることで、それが死体であることを伝える絶妙な演出だった。

俳優陣については相変わらず上手い。
ゲストの高杉亘は「ダメな父親から戻れなくなってしまった弱い男」を実に巧みに演じていた。錦戸の少年時代を演じるのは「流星の絆」に次いで2回目の嘉数一星も、独特の存在感で久遠の過酷な過去を鮮烈に印象づけた。
文弥役の渡邊甚平、まお役の佐々木麻緒も、ポテンシャルの高さを強く感じる子役だったし、綾田俊樹は相変わらずのイイ味だ。螢雪次朗の演技の幅にも驚かされる。

文弥の遺体を前にした錦戸の演技も素晴らしかったし、堺の「ばかやろう」も堺にしか出来ない複雑で繊細な演技だった。鹿賀については全く申し分ない。
平山とりょうの相性も予想外にいいし、錦戸と杏のケミストリーも現れてきている。土屋も堀田と久遠の間の微妙な感情を堀田らしく丁寧に演じている。とてもいい俳優だ。
永岡、佐伯、井上、鈴木もそれぞれキャラクターを確立してきていて見ていて楽しいし、捜査一課の役名なしの俳優たちも存在感のある良い仕事をしている。

ただ気になったのは錦戸のアフレコだ。
表情ひとつで鳥肌が立つような見事な演技をしてみせるくせに、アフレコとなったら学芸会レベルにまで落ちてしまう。もう少し落ち着いてゆっくり喋るようにしたほうがいい。

ストーリーについては今回初めて闇の制裁を受けずに法で裁かれる犯人が登場した。それはそれで正解だったと思う。

視聴者のカタルシスは「闇の制裁」によってしか得られないという訳ではない。
受けるべき罰から逃げた者に「応報の罰」が与えられるシーンが見れれば、それで視聴者はカタルシスを得ることが出来る。
その「応報の罰」は当然「法による裁き」であっていいし、「犯罪を立証した上での告発」でも構わない。ドラマらしく「悪人が自ら墓穴を掘って大恥をかく」的なものでもいいだろう。それこそ闇の裁きは3回に1回でも構わない。
穴だらけのプロットで無理矢理に「闇の制裁」に持ち込むほうが、逆にフラストレーションが溜まるというものだ。

今回伊達は「自分たちのしていることは復讐ではない」と言い切った。
もっとも今までの話を見ていると「第三者による恣意的な復讐(私刑)」にしか見えないので、説明セリフで帳尻合わせをしている感は否めない。
では「復讐」でないなら何であるべきなのか?それについては次回書きたいと思う。


事件のストーリーラインについては、久遠の過去に大きく触れるものだった。

このドラマでは「遺族の心の傷を癒すのは被害者との暖かい思い出と、遺族の心を思いやる第三者の理解である」というメッセージを発している。
第一話で幼い息子を殺された両親も、第二話で母を失った息子夫婦も、第三話の孝行娘を失った母親も、第四話の一人娘を逆恨みで殺された父親も、第五話の夫を自殺に追い込まれた妻も、失った家族が自分たちを愛してくれていたという事実に気づいて、悲しみを乗り越えようとしていた。
第六話の今回、その遺族の立場になったのは久遠だった。

父親からの虐待と捨てられたという痛みから抜け出せずに、苦しみ続けている久遠にとって、第三話の被害者・晴香や今回の文弥の痛みは、まるで自分のことのように感じられただろう。
もし久遠が伊達のように「誰かからの救いの手」によって苦しみから救い上げてもらっていたなら「親にすら虐待されてしまう自分」を受け入れることが出来たかもしれない。
しかし久遠は誰からも救い上げられることなく、どれだけ我慢してもそばにいたかった父親にすら、結局は捨てられてしまった。

4歳で母を失ってから虐待を受け続けていた久遠には、母親の記憶も、普通の子供が持っている暖かくて他愛ない日々の記憶すらもないだろう。
あるのは一度だけ父親に連れて行って貰った海の記憶と、母親の形見であるカメオのブローチが連想させる母親のイメージくらいなもので、文弥が必死で取り戻そうとしていた「優しかった以前の父親」も持ってはいない。
幸せだった時代の記憶があれば「いつかあの頃に戻れるかもしれない」と希望も持てる。しかしそれすらもないとなれば、虐待される理由を「自分」か「相手」に求めるしかなくなる。

親から暴力を受けている子供の殆どは「親は悪くない」「暴力を振るわれてしまう自分が悪い」と思い込む。
虐待される理由を「自分」に求めて、「愛されていない」のではなく「悪いことをしているから叱られているだけ」だと考えるのだ。
「父親は悪くない」と言った文弥を理解していた久遠もまた「父親に虐待されるのは自分が何か悪いことをしているのだ」と思っていただろう。

しかし大人になれば「虐待された自分」が悪いのではなく「虐待した親」のほうが悪いのだと理解るようになる。
それは同時に「ただ単に自分が親に愛されなかっただけ」という現実を目の当たりにすることにも繋がる。
どんなに酷い虐待の痛みよりも、この「どれだけ耐えても愛されなかった」という現実のほうが、はるかに深く久遠を傷つけただろう。
その行き場のない怒りと悲しみが久遠健志という男を形作っている。

親に愛されなかった自分自身を受け入れて愛してくれる他の誰かを探すでもなく、誰かに自分を分かってもらおうとするでもなく、自分を閉ざして「はみ出し者のチャラ男」の仮面をしっかりと被ってしまった久遠に、救いの道など残っている筈がない。
鑑識員として物証を掴み犯罪を暴く仕事は、久遠に「正義」という寄る辺を与えただろうが、同時に限界も見せたことだろう。

第三話、第六話と、久遠は犯人に銃口を向けた。
その先に見ていたのは憎い父親の姿だったのだろうか?おそらくそうではない。
久遠が消してしまいたかったのは「どれだけ耐えても愛されずいとも簡単に捨てられてしまった自分自身」、壊してしまいたかったのは「そこから抜け出すことが出来ない自分自身」だろう。

もし久遠が伊達という理解者を得なかったら、久遠は自分自身を受け入れることも、行き場のない怒りと悲しみを消化することも出来ないままに、独りよがりな「正義」に身を任せてしまったかもしれない。
堕ちることで自分を壊してしまっていたかもしれない。

何がなんでも守ろうと思っていた文弥を殺されてしまった久遠は、今回、文弥の実質上の遺族だった。
「遺族の心の傷を癒すのは被害者との暖かい思い出と、遺族の心を思いやる第三者の理解である」というドラマのメッセージの通り、久遠は文弥からの最後のメールで、ただ耐えるだけでなく抜けだそうとする勇気を受け取った。
文弥は殺されてしまったが、文弥との暖かい思い出は久遠の心の中に確かに残った。
そしてそんな久遠の心を理解してくれる伊達や三上もいる。
悲しみはそう簡単に癒えなくても、いつか時間が「苦しさ」を「憎しみではない何か」に変えてくれるだろう。

今回面白かったのはこの後だ。

文弥の父・広之が犯行を認め謝罪したのを見届けた久遠は、文弥と伊達からもらった勇気を胸に実の父親に会いに行った。
15年ぶりにあった父は、一度だけ連れていった海のことも、久遠がその絵を描き続けていたことも覚えていた。幼い久遠が描いていたのと同じ絵を一心に描いている父親の姿を見た久遠は、再び父親からの愛情を期待しただろう。
見ているこちらも「愛されていなかったわけじゃない」というオチになるのかと思っていた。

ところがボケ気味の父親は久遠が誰だか判らず、虐待して捨てた息子に向かって「どなたですか?」と穏やかに微笑んでみせた。
このときの久遠の気持ちは察するに余りある。勇気を振り絞って父親に会いに行ってみれば父親は息子のことすら判らない。しかも自分には微笑みかけてくれなかった父が、見も知らぬ人間には柔らかく微笑んでみせるのだ。
結局また久遠の気持ちは置いてけぼりにされてしまった。

そんな久遠を慰めたのは伊達でも三上でもなくあすかだった。
あすかは久遠が虐待されていたことも父親に会いに行ったことも知らない。ただ久遠が落ち込んでいるのはわかるから、何も言わずにそばにいようとしている。
文弥のそばに久遠がいようとしたように、久遠のそばにもまた、あすかがいようとしてくれる。

父親に捨てられたあとの久遠がどのように成長したかはわからない。
しかし、こうして理解ろうとしてくれる人を得ていくことで、久遠は過去を乗り越えていくのだろう。
そして久遠にとって大切な人が増えていけば、久遠の暴走や狂気もまた少し違った形で現れてくるのかもしれない。
久遠はやっと得られた大切な人々に彼なりの精一杯の献身をするだろう。伊達や三上、あすかに心を開いていけばいくほど、久遠の彼らへの思い入れは深まる。

伊達やあすかに比べて不完全で不安定だが、頭が切れて実力があるぶん、久遠は敵に回すと厄介な男だ。
似たタイプの敵とガチでやりあうところも見てみたいものだ。


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フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第六話:伏線?セリフ集

 
<5年前>

(夏樹殺害現場に駆けつける伊達と冴子。そこには変わり果てた夏樹の姿があった)

伊達「宮城…」

冴子「…どうして?」

(井筒が到着)

井筒「おつかれ」

(遺体の前にしゃがんで手を合わす)

井筒「宮城の携帯は?」

溝口「そこの遺留品の中にあります」

冴子「(苛立を滲ませて)それ、どうするつもりですか?」

井筒「何か手がかりが掴めるかもしれんだろ」

(井筒、夏樹の携帯の中身を見た後、その携帯を持って立ち去る)

***********************************************************

(前回続き。深夜に一人、夏樹の捜査資料を調べるあすか)

あすか「”捜査一課長の井筒将明”…どうして次のページがないんだろ」

(井筒、不意に背後からあすかの肩を掴む)

井筒「過去の捜査資料は持ち出し厳禁だよ?」

あすか「すみません」

(あすか、資料を返却するために立ち上がる)

井筒「あのさあ!(あすか振り返る)…片桐に何か言われた?」

あすか「(ひきつり笑いを浮かべて)片桐、って、誰ですか?」

井筒「ふ、ふふっ…判りやすいねえ君は。兄貴と一緒だ」

***********************************************************

冴子「木内亨、春日恒夫、山原哲司、椎名高弘、そして、氷川成美。今年に入ってから5名が神隠しにあってる」

三上「よく調べたな」

冴子「5名の共通点は、法の裁きから逃れたこと、消息が掴めないこと、そして、神奈川県警本部の捜査一課が動いていること」

三上「まさか警察内部の仕業だなんて言わないよな」

冴子「(伊達に向かって)あなたも捜査一課だよね。次は誰がターゲットになるのかなあ」

***********************************************************

(交番にいた少女まおから同級生の吉永文弥が虐待を受けているので助けて欲しいと言われた久遠は文弥の自宅を尋ねる。児相や刑事にも躾だと判ってもらったという文弥の父親・広之に対し)

久遠「あなたにとっては躾でも文弥くんにとってはそうじゃないかもしれない」

***********************************************************

まお「(文弥の家から戻ってきた久遠に)どうでした?」

久遠「あれ、虐待じゃないなあ」

まお「そんなあ」

久遠「そう思ってもらいたいはずだよ、君には。…大丈夫。文弥くんは俺が守ってやる」
***********************************************************

(捜査一課は連続強盗事件の報告会の最中。来栖は苦情電話に対応中)

来栖「大変申し訳ありませんでした(電話を切る)」

(久遠が部屋に入ってくる)

久遠「伊達さん、ちょっといい?」

来栖「おい、久遠!いま青葉台署から連絡があったぞ。おまえ吉永文弥に会いに青葉団地に行ったらしいな」

あすか「青葉団地って強盗傷害の現場付近だ…」

久遠「吉永文弥は虐待されてます。痣もありました」

来栖「吉永家はな、もう所轄が様子を見に行ってんだ。虐待の事実は本人が否定してるし、父親も躾の延長で…」

久遠「(来栖の言葉を遮るように)まともに見てねえのに何が躾だよ」

来栖「(怒った表情で久遠に一歩近づく)ああっ?!」

久遠「職務怠慢だって非難されたくないからとりあえず聴取しただけだろ?そんなのなんの解決にもなんねえよ」

(堀田が久遠を制するために来栖の前に進みでて、片手で久遠の襟元を掴み上げる)

堀田「おい、なめた口叩いてんじゃねえぞ」

久遠「(冷たく)はなせよ」

(ガチで喧嘩を売ってきている久遠に、堀田の目が一瞬で鋭くなる)

滝川「ちょっと!止めましょうよ!」

(井筒が部屋に入ってきて)

井筒「おっ、喧嘩か?いいねえ、やれやれ!」

滝川「課長!」

(堀田、久遠を睨みつけたまま手を離す)

井筒「なんだやらないのか。つまんねえなあ。…おい久遠、おまえバケツ持って廊下立ってろ」

久遠「なんで俺が!」

井筒「許可無く民家に入った罰だ。それと減俸三ヶ月。セットでね。セット料金」

***********************************************************

(廊下で両手に水の入ったバケツを持って立っている久遠)

滝川「落ちこぼれみたいですね。あ、落ちこぼれか。お先に~」

伊達「ああそういえば、話って何だったんだ?」

久遠「ああ、ケータイ借りようかと思って」

伊達「携帯?」

久遠「いや、俺のケータイ文弥が持ってんだよ。だからあいつと連絡取りたくて。俺が救ってやんねえと」

伊達「虐待か、躾か、その判断をするのは難しい。今のままじゃその文弥くんて子が虐待だと認めない限り、警察もこれ以上動けない」

久遠「伊達さんもあいつらと一緒かよ」

(伊達、久遠のシャツの胸ポケットに自分の携帯を入れて立ち去る)

***********************************************************

(バーmikami。伊達にファイルを差し出す三上)

三上「小僧の経歴だ。あいつ、4歳のときにおふくろを亡くしてから10歳までの間、ずっと親父から虐待を受けてたんだ」

***********************************************************

<15年前>

(夏の暑い部屋。クレヨンで無心に海の絵を描いている幼い久遠)

久遠の父「おい、酒買ってこい」

久遠「え…お金…ないけど…」

久遠の父「なけりゃ作ってくりゃいいだろ!」

(久遠を突き飛ばし、引き出しからカメオのブローチを取り出して放り投げる)

久遠の父「ほら!これ売って買ってこい!」

久遠「これ母さんの形見…」

久遠の父「いいから買ってこいよっ!」

(久遠の父、息子の顔めがけてカップ酒の空き瓶を投げつける)

久遠「あっ…」

(左目の上にもろに当たって血が流れる。背中には生々しい紫色の火傷痕が覗いている)
***********************************************************

(久遠部屋。引き出しの中からカメオのブローチと、ブローチが入っていた封筒を取り出す久遠。封筒には介護老人ホームの名前と住所が印刷されている。ブローチと封筒の住所を見つめたあと、伊達から借りた携帯を手に取る久遠)

(文弥の家。久遠から預かった携帯がメール着信を告げる。携帯を開く文弥)

久遠からのメール『俺、親に虐待されてたんだ くどう』

(驚く文弥)

久遠からのメール『学校の奴らにはバレたくなかった。だからいつもヘラヘラしてた くどう』

***********************************************************

(メール着信音。携帯を開く久遠。覗き込む伊達)

久遠「(嬉しそうに)文弥からの初メール」

文弥のメール『気持ち、わかる。 ふみや』

伊達「何の話?」

久遠「内緒~」

***********************************************************

あすか「これ、捜査資料まとめたものです」

冴子「ありがとう」

あすか「でも1ページなかったんです。…あの、井筒課長が容疑者だったって本当ですか?」

冴子「ん…5年前、井筒課長が使ってた情報屋が殺されてね」

あすか「はい」

冴子「その前日に井筒課長がその男と口論していたところを目撃されているの。その情報屋と井筒課長との関係を夏樹が単独で洗ってたら、一週間後に…」

あすか「それが容疑をかけられた理由ですか?」

冴子「2人とも同じナイフで殺されていた。しかも井筒課長がやったっていうタレコミまであって。でも物証は出てこなかった。課長も知らないの一点張り。…実はね、課長を取り調べたのは伊達なのよ。でも取調べは形式だけで、すぐに井筒課長の容疑は晴れた」

あすか「どうして」

冴子「アリバイがあったのよ。あの日、井筒課長は伊達と一緒に別の事件を追ってたの。川崎のコンビニ強盗殺人」

あすか「じゃあ井筒課長じゃないんですね」

冴子「そのアリバイが本当だったらね」

(表情が硬くなるあすか)

***********************************************************

(昼間は文弥の虐待について捜査しているため、青葉町連続強盗事件について捜査状況を追うために一人残業している伊達。井筒が帰りしなに伊達に声をかける)

井筒「妙なことと言えば、宮城が兄貴の事件を調べてる」

伊達「(どうとでも取れる表情で)そうですか」

井筒「…ま、心配するこたぁないか。お疲れチャン」

***********************************************************

(久遠と文弥、河原でキャッチボールをした後)

久遠「このまま誰にも言わないつもり?身体の傷のこと」

文弥「僕は何もされてない」

久遠「憎くないの?親父のこと。俺は許せなかった」

文弥「お父さんは悪くない。悪くないんだ」

***********************************************************

(久遠部屋)

あすか「久遠さんって過去引きずったりしますか?」

久遠「何、突然」

あすか「いや、私は全然切り離せなくって。今でも亡くなった兄のこと探してる気がします」

久遠「別にいいじゃん、それで。てか過去と向き合ってるだけ立派じゃね?俺なんか振り返りたくもないし」

(あすか、久遠の机の上のカメオと封筒に気づく)

久遠「あ、これ?(封筒を手にして)親父がここにいるんだよ、俺を捨てた。10歳のときだったから、もう15年会ってない。んで2年前にこれが届いて、ここにいること知った」

あすか「介護施設?」

久遠「うん(封筒を捻ってゴミ箱へ捨てる)ま、もう会うこともないだろうけどね」

***********************************************************

来栖「吉永文弥の虐待について調べてんのか。あのなあ、俺達が追わなきゃいけねえのは同じ青葉町でも窃盗団の方なんだよ」

伊達「は、はぃ」

来栖「勝手な真似すんじゃねえ」

伊達「はぃ、すみません…」

来栖「ああああ、ウザイ、ウザイ、ウザイ、…はーっ、ウザっっ!」

***********************************************************

(廊下で冴子と出くわす来栖)

来栖「おい、ここは部外者立ち入り禁止だぞ」

冴子「まあまあ、すぐ済むから」

来栖「ダメだ」

冴子「チッ。だったらこれ伊達に渡しといて」

(冴子、資料を来栖の鼻先に押し付けて帰っていく)

来栖「なんだ、あの女」

***********************************************************

<15年前>

(夏の暑い部屋。クレヨンで描いた海の絵。父親はいない。10歳の久遠がフラフラと立ち上がり、水道の蛇口に口を付ける。しかし水は出てこない。そのまま倒れこむ久遠)

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(文弥が死んだのは自殺で学校でのイジメが原因のように話す文弥の父親に久遠が殴りかかる)

久遠「何嘘ついてんだよ!全部てめえのせいだろ!」

(騒然とする現場。久遠を取り押さえる来栖・堀田・轟)

久遠「おまえが殺したんだろ、おまえが文弥を!」

(久遠の感情の爆発を静かに見つめる伊達)

***********************************************************

(堀田と轟に連れられて現場から出てくる久遠。そこにまおが現れる)

まお「嘘つき!」

(涙を溜めて久遠を睨みつけるまお)

まお「守ってくれるって言ったじゃない!嘘つき…!嘘つき!」

(泣きながら久遠の胸元を叩くまお。硬い表情で見下ろす久遠。痛まし気に見つめるあすかと伊達)

***********************************************************

(見張り付きで取調室に軟禁されている久遠。伊達が入ってきて見張りを代わると申し出る)

久遠「伊達さん…」

伊達「ばかやろう」

(伊達を見つめる久遠)

伊達「自殺の線で固まりそうだ」

久遠「ちょっと待ってよ。明日巨人戦観に行こうって約束してたんだよ?自殺なんかするわけねえだろ?」

伊達「そのあと心変わりしたのかもしれない。それはメールじゃ判断できない。それと父親の虐待を立証するのも難しいそうだ。転落の損傷が激しくて虐待の痕を確認出来ないらしい。君も知ってる通り、新しい傷が古い傷痕を消してしまうことはよくある」

久遠「俺見たんだって!文弥の身体には確かに痣があったんだよ!」

伊達「だとしてもそれが虐待の痕だと証明するのは難しい」

久遠「じゃあ…あの親父は法では裁けないってこと?」

(なぜか取調室の机に設置してあるカメラが作動していて、マジックミラーの向こうにある小部屋のモニターには久遠の顔が映っている)

久遠「頼む、伊達さん。裁いてくれ」

伊達「父親が文弥くんを虐待していたということも、彼を殺害したということも、何の確証も得られていないんだ。動くことは出来ない」

久遠「何でだよ!俺には判んだよ!あいつがやったんだって!あいつが文弥を殺したんだよ!文弥は間違いなく前を向こうとしてた。変わろうとしてたんだって!」

伊達「憶測で人を裁けばそれはただの犯罪者だ。君が憎んできた奴らと何も変わらない」

(久遠、泣きそうな表情を浮かべる)

***********************************************************

(右利きの文弥がベランダの手摺を乗り越えるのに左足を上げていたことに対して)

伊達「もちろんこれが証拠になるとは思っていません。ですが私に取っては十分過ぎる違和感です」

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(取調室に軟禁中の久遠。見張りはなぜか井筒)

久遠「なんで課長が俺の見張りなんすか?」

井筒「だってみんな忙しいんだもん。しょうがねえじゃん」

(井筒立ち上がる)

久遠「どこ行くんすか?」

井筒「ん?(タバコを吸う真似をしながら)トイレ。あ、おまえさあ、逃げんなよ?な、逃げんなよ」

(取調室から出て行く井筒)

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(文弥の転落現場にいる伊達。そこに窃盗事件を捜査中のあすかが現れる。あすか、少し躊躇ったあとに思い切って口を開く)

あすか「あの、5年前の兄の事件なんですけど。伊達さんが井筒課長を取り調べたって聞きました。井筒課長の犯行は本当に不可能だったんでしょうか」

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(窃盗団を逮捕し捜査一課に戻ってきた伊達。そこには久遠を見張っていたはずの井筒がいた)

井筒「あーご苦労さん」

伊達「課長…久遠を見ててくれたんじゃ…」

井筒「あ?ああ。ちょっと目を離した隙にさあ、どっか行っちゃった」

伊達「え…」

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(文弥の父・広之がパブから出てきたところをつける久遠。人気がなくなったところで広之を背後から蹴り飛ばす)

広之「おまえ…!」

(広之に銃口を突きつける久遠)

久遠「おまえが文弥を突き落としたんだろう?」

広之「何だよ…」

久遠「おまえが殺したんだろ?」

広之「…頼む…撃つなよ…な…撃たないでくれ、頼むよ…」

(広之の顔面を蹴り飛ばして気絶させる久遠)

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(埠頭に走りこむ久遠の車。待っていたのは三上)

三上「伊達はどうした?」

久遠「………」

三上「どうした?と聞いてる」

久遠「後から来るよ」

三上「おまえの独断か」

久遠「この男を始末して欲しい」

(車の後部には気を失っている広之が)  

三上「ハンパなことしやがって。誰なんだこいつは」

久遠「虐待で息子を殺した父親だよ」

三上「確証は?」

(伊達が現れる)

伊達「確証はありません」

久遠「伊達さん」

三上「だからこんな小僧は入れるなと言ったんだ」

久遠「こいつがやったんだよ!こいつが文弥を散々殴って蹴った挙げ句に、人形みたいに殺したんだよ!どんな仕打ちを受けてても文弥は虐待されてるとは言わなかった。何でだと思う?」

(久遠を見つめる三上と伊達)

久遠「親だからだよ。文弥は僅かな望みに掛けてたんだよ。こんな奴でも信じてたんだよ。いつか…いつか分かってくれるって。なのにこいつは改心するどころか文弥の命を奪った。許せるわけねえだろ!」

(伊達、静かに久遠を見る)

久遠「終身刑が出来ないなら、俺が殺してやる」

(広之に銃口を向ける久遠)

三上「久遠!…おまえガキの虐待を自分の復讐にしようとしてんじゃねえのか!」

(伊達の携帯が鳴る)

伊達「宮城くんからだ(電話に出る)はい」

あすか「文弥くんが殺されたって証言が取れました。例の窃盗団の一人が見ていたんです。窃盗の犯行がバレるのを恐れて黙っていたそうです」

(伊達、電話を切る)

伊達「吉永が文弥くんを殺害したところを目撃した人間がいたそうだ。…これで吉永を逮捕できる」

久遠「駄目だよ」

伊達「久遠」

久遠「パクってムショに入れたところでいつかは出てくる。人殺してんのに。あんな酷い仕打ちしてんのに。こんなクズいなくなったほうがいいんだよ」

伊達「それは君が決めることじゃない。法で裁ける人間は法で償わせるんだ。俺達がやってるのは復讐じゃない」

(伊達、携帯を操作して文弥の最後のメールを開く)

伊達「文弥くんが君に出した最後のメールだ。”巨人戦楽しみにしてる”その下にもう一文残してた。”勇気をくれて、ありがとう”。文弥くんは抜けだそうとしてたんだ。ただ耐えるだけの日々から。今度は君が抜け出すんだ。君が闇に葬るのはその男じゃない。過去の自分だ!」

(久遠、目に涙を溜めて銃口の先の広之を見る。久遠の中で様々な感情が葛藤する)

久遠「うあぁぁぁぁっ!」

三上「久遠っ!撃つな!」

(発砲音。弾丸は広之ではなく海に消えた。久遠の目から流れ落ちる涙。安堵する三上)

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(取調室)

広之「…私がやりました…すいませんでした…」

(マジックミラーの向こうで見ている伊達と久遠。自白を聞いて久遠は無言で小部屋を出て行く)

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(カメオのブローチが送られてきた封筒を頼りに、父親がいる介護老人施設を訪れる久遠)

介護士「久遠さん、絵、上手なんですね」

(その声の先には、寝間着を着て車椅子に乗った久遠の父が、クレヨンで何かを描いている姿があった)

介護士「久遠さん海が好きなんですか?」

久遠の父「一度だけ2人で見に行ったことがあるんです。”あいつ”はいっつもこの海描いてた」

(久遠の父が描いていたのは、幼い久遠が描いていたのと全く同じ構図の海の絵だった)

久遠「(ごくりと唾を飲む)”あいつ”って?」

(久遠の声にゆっくりと顔を上げる父親、見つめあう父子。父親が柔らかい表情を見せる)

久遠の父「あなたは…どなたですか?」

(久遠の目が悲しみに潤む。久遠を知らない人間だと理解した父親はまた絵を描き始める。その父の手にカメオのブローチをしっかりと握らせる久遠)

久遠「大事にしろよ。じゃあな」

(久遠、立ち去る。父親はカメオのブローチを見て何かに気づき久遠を視線で追うが、久遠は振り返らずに去っていく)

***********************************************************

(久遠部屋。元気のない久遠。そこにあすかがやってくる)

久遠「伊達さんならいないよ」

あすか「知ってます」

(あすか、久遠の隣に椅子を置いてそこに座る)

久遠「何?」

あすか「落ち込んでる時、誰かにいてもらうとホッとするんです。何も言わないでただそばにいてくれるだけで」

(久遠、あすかが何のために来たか理解する)

久遠「伊達さんに何か言われた?」

(あすか、無言の否定)

久遠「…サンキュ」

(あすか、頷く)

久遠「ちゅーしていい?」

あすか「(間髪置かず)だめ」

(いつものノリに戻って2人笑顔を浮かべる)

***********************************************************

(冴子、夜に捜査一課にいくと来栖だけが残っている)

冴子「チッ」

来栖「だからあ!」

冴子「部外者は入るな!でしょ?ちゃあんと伊達に資料渡してくれた?」

来栖「渡したよ!けど、何で今更5年前のコンビニ強盗殺人なんて。あんなにすぐ解決した事件…」

冴子「知ってんの?」

来栖「ああ。俺も所轄の署員として関わったんだ。本部の一課だった伊達と一緒に」

冴子「あなたが伊達と組んでたの?」

来栖「ああ」

冴子「あの事件の日、夏樹は殺された…。伊達と井筒課長とどこ捜査したか覚えてる?」

来栖「課長が俺達と一緒に捜査したことなんて一度もねえよ」

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<5年前>

(県警本部の応接室)

三上「どうして井筒をかばった?」

伊達「井筒課長はやっていません。なのにまるで警察全体が課長を犯人に仕立て上げているように思えたので」

三上「だから井筒のアリバイを偽ったのか?」

伊達「………」

三上「宮城夏樹の捜査が打ち切りになった。井筒が疑われたように警察内部にホシがいるのは確かだ。だったら不祥事になる前にもみ消そうってのが上の考えだ」

伊達「納得できません」

三上「未解決事件にさせたくない気持ちは俺も一緒だ。おまえと意見が違う点は一つだけ。俺は…井筒がホンボシだと思ってる」

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三上「あすかちゃんが夏樹の事件追ってるとはなあ。冴子ちゃんの入れ知恵か」

(靴音を立てて客が入ってくる)

三上「いらっしゃ…」

(客の姿を見て三上と伊達の表情が固まる)

井筒「…よお」

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フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第六話:あらすじ

ある街で、宝石店などを狙った窃盗傷害事件が連続で起き、伊達一義(堺雅人)らはその捜査を担当する。

そんななか、事件を管轄する警察署から捜査一課にクレームが入った。久遠健志(錦戸亮)が、その付近で父親から虐待を受けていると噂される小学生・吉永文弥(渡邉甚平)を自宅に訪ねたからだ。すでに所轄の警察官が父親に会い、虐待はなかったと確認したのに、県警本部の久遠が訪問したことで所轄は体面を汚されたというのだ。結局、減俸に処されたが文弥が虐待されていると確信する久遠は、伊達から携帯電話を借りると、訪問時に文弥に渡した自分の携帯電話にメールを送る。そこで、自分も親から虐待を受けていたこと、それでも友だちにはそれを知られたくなくて誤魔化していたことを明かす。

同じ頃、久遠に父親から虐待されていた過去があったと知った伊達は、文弥の自宅周辺で聞き込みをはじめる。すると、文弥の父親・広之(高杉亘)が、酒グセの悪さで評判になっていることがわかる。久遠は、野球好きの文弥とキャッチボールをするなどして、距離を縮めていた。文弥は、虐待は認めないものの、自分を守ろうとする久遠の存在が心強かった。

その頃、宮城あすか(杏)は、"神隠し"を追う片桐冴子(りょう)の協力を得て、兄・夏樹(丸山智己)殺害事件の真相を突き止めようと動いていた。そのなかで、井筒将明(鹿賀丈史)が、夏樹殺しの容疑者だったという事実を知る。

そんな折、文弥が団地の4階にある自宅から飛び降りて死亡した、との知らせが入る。現場に駆け付けた久遠は、文弥の変わり果てた姿を見て立ち尽くす。そして、あすかが事情聴取していた広之に目をやる――と、広之は、文弥は学校でいじめに遭っていたらしい、としおらしい態度で話していた。そんな広之に久遠の怒りが爆発。いきなり殴り倒すと、さらに馬乗りになって殴ってしまう。

鑑識の捜査の結果、ベランダの手すりにあった両手の指紋と左足の足紋が文弥と一致したことから、自殺の可能性が濃厚となる。

伊達は、署内で謹慎させられている久遠にそのことを報告。久遠は、翌日に自分と野球の試合を見に行く約束をしていた文弥が自殺するわけがない、と反発するが、伊達は、それを示すメールだけでは判断できないし、そもそも広之が虐待していた事実さえ立証できないだろう、と答える。それでも久遠は、広之が文弥を殺害したのは間違いない、と必死に訴える。

その後、伊達は文弥宅を訪ね、再び現場を見ることに。そして、広之の前で、文弥がしたというように、ベランダの手すりをつかみ左足を乗せる動作をしてみせる。左足を乗せたのは左利きだったからか、と尋ねる伊達に、広之はそうだと答える。すると伊達は、文弥は右利きだが、あるプロ野球選手に憧れて、左投げ左打ちに変えていたことを明かす。文弥が久遠に送ったメールに、書かれていたのだ。広之は、右利きでも左足を上げることもある、と反論。伊達も、それ自体が証拠になるとは思わないが、それでも自分には違和感のある事実だ、と明言する。さらに、文弥がスポーツバッグのなかに隠していた複数の酒瓶を見せ、文弥は、広之に酒を止めてほしかったのだろう、と言う。

一方、窃盗団を追っていた来栖淳之介(平山浩行)らは、ついに、犯人と思われる若者3人組を確保する。あすかは、そのうち見張り役だった男を事情聴取。すると男は、文弥がベランダから突き落とされるのを目撃したと証言する。

そんなあすかからの電話を受けたとき、伊達は、埠頭にいた。久遠が独断で広之を制裁し、三上国治(大杉漣)を呼びだした現場に駆け付けたところだった。これで広之を逮捕できる、と言う伊達に、久遠は"神隠し"に遭わせると譲らない。文弥に、幼い頃の自分を重ねていた久遠は、どうしても広之が許せないのだ。伊達は、そんな心情を理解しつつも、自分たちがやっていることは復讐ではないのだ、と諭す。そして、久遠は気づいていなかったが、文弥からのメールの最後に「勇気をくれて、ありがとう」とメッセージがあったことを伝える。虐待に耐える日々から抜け出そうとしていた文弥のためにも、広之ではなく、自分自身の辛い過去を闇に葬るんだ、と説得する伊達。久遠はついに、それを受け入れた。

後日、警察で取り調べを受けた広之は、自分の罪を認め、泣いて謝罪する。

その頃、久遠は、父親・荘平(螢雪次朗)が暮らす介護施設にいた。車椅子に座り介護士に世話される父親の姿を見た久遠は、近寄って声をかけるが、荘平は久遠を認識しない。久遠は、そんな父親の掌に、母親の形見のブローチを握らせると、その場を立ち去る。

そんな日の夜、来栖は捜査一課にやってきた冴子に、どうして5年前のコンビニ強盗殺人事件を追っているのか、と尋ねる。資料によると、当時、伊達と井筒がその事件を追っており、それが、夏樹殺害事件の井筒のアリバイとなっているものだからだ。来栖が事件を知っていたことに冴子が驚くと、来栖は自分も伊達と一緒に事件を追っていたのだ、と話す。そして、井筒が捜査に加わっていたことは一度もない、と驚くべき証言をする。

同じ頃、三上のバーにいた伊達は、5年前のことを思い出していた――。当時、刑事だった三上に呼び出された伊達は、井筒のアリバイ工作をした理由を聞かれていた。井筒はやっていないのに、警察全体が井筒を犯人に仕立て上げているように思ったからだ、と答える伊達に、三上は、夏樹の捜査が打ち切りになったと伝える。そして、警察内部に夏樹殺しの犯人がいるのは確かだが、上層部がそれをもみ消そうとしていること、さらに、自分も井筒が犯人だと思っていることを、打ち明けた。

伊達がそんなことを思い出し、考えを巡らせているとき、バーのドアが開いた。入ってきたのは、井筒で…。


(以上公式サイトhttp://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.htmlより)


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フジテレビ・オン・デマンド「ジョーカー許されざる捜査官」
一話315円、全話1575円

第六話:概要

放送日: 2010年8月18日
タイトル: 「CRIME6 子供の虐待…救えない命…」
演出: 都築淳一


<ゲスト>

吉永広之: 高杉亘


いわせ酒店の店主: 綾田俊樹

吉永文弥: 渡邊甚平


まお: 佐々木麻緒

窃盗団の一人: 松永一哉


宮城夏樹: 丸山智己


久遠健志の父親: 螢雪次朗

久遠健志(少年時代): 嘉数一星


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