2010年8月7日土曜日

第二話:伏線?セリフ集

 
(伊達が落としたボタンを握りしめて)

久遠「…化けの皮剥がしてやる」

***********************************************************

冴子「木内を含む法の裁きを逃れた人間を誰かが消してるってことになるよね。もしそうならターゲットは野放しになった犯罪者な訳でしょ?正義のヒーローだね。そいつは」

伊達「本当にそう思ってる?」

***********************************************************

井筒「伊達、老人ホームの火災、事件だと思ってんのか?」

伊達「どんな些細な疑問でも徹底的に洗えっていうのは、これは課長が教えてくださったことですよ」

井筒「むふふ、そうだったか。忘れた」

***********************************************************

久遠「なんでそんなに認めてもらいたいの?」

あすか「私の兄が捜査一課の刑事だったんです。でも5年前に殺人事件に巻き込まれて殉職しました。被疑者がまだ捕まっていないんです。だから早く一人前になって兄の事件の捜査をまかされたいんです」

久遠「…そっか」

***********************************************************

あすか「やっぱり盗聴は納得出来ません」

久遠「じゃどうすんの」

あすか「羽鳥を説得して自供させます」

***********************************************************

(盗聴テープを盾に羽鳥に自白を迫ったものの失敗、羽鳥は自殺)

あすか「…私のせいです。私が羽鳥を死に追いやった」

伊達「そうかもしれない。我々はその存在自体が凶器でもある。覚えておくといい」

***********************************************************

冴子「まあ警察がパクれなくても誰かが始末してくれるか」

三上「出るかな。神隠し」

伊達「犯罪者は警察が捕まえる。それが本来あるべき姿だよ」

***********************************************************

(公務執行妨害による逮捕の拘束時間切れが間近に迫って)

来栖「あいつは性格悪いから取っておきは最後に出すんだよ。まあそんなもんねえかもしんねえけど」

***********************************************************

(拘束時間内に春日の自供を得られず)

伊達「駄目だった」

あすか「そんなことないですよ。あそこまで追い込んだんですから。勉強になりました」

伊達「僕は暴力を振るったんだ。だけど、駄目だった」

***********************************************************

<25年前>

伊達「僕が…あの男を刺しました。僕を逮捕してください。お願いします」

三上「俺にまかせろ。おまえは悪くない。俺がおまえを助けてやる」

***********************************************************

春日「証拠がない。法は俺を裁けない」

伊達「だから俺が裁く」(銃口を春日に向ける)

春日「何をしてる。そんなことをしていいのか」

伊達「おまえは多くの命を奪った。それだけじゃない残された家族の未来も奪ったんだ」

春日「俺を殺そうとしてるおまえだって同じだろう」

伊達「俺もおまえと同じ裁きを受けなかった罪人だ」

(命乞いをする春日を撃つ伊達。倒れる春日)

久遠「伊~達さん」

(ゆっくりと振り向く伊達)

久遠「やっぱあんたの仕業だったんだ」

(前回現場で伊達が落としたボタンを投げて渡し、不気味に笑う久遠。ボタンを受け取り何の動揺も見せずに久遠をじっと見つめる伊達)

***********************************************************

目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円

第一話:伏線?セリフ集

 
(伊達の後ろ姿を見ながら)

あすか「怒ったことがないなんて嘘」

久遠「え?」

あすか「あの人の背中すごい怒ってる」

***********************************************************

久遠「満くん的にされてたんだよ。改造銃の威力を試すためにね。頬に泣いた跡が残ってた。怖かったろうな。どんなに泣き叫んでも、誰も助けてくれなかったろうし。…殺してやりて」

***********************************************************

あすか「満くんの両親、なんかギクシャクしてましたね。実は、私もあったんです。ああいうこと。昔、兄が殺されたんです。それで家族の中で何かが歪んで。壊れて…」

伊達「あれ、宮城くんのお兄さんって」

あすか「はい!宮城夏樹です、捜査一課にいた」

伊達「ああー」

あすか「課長から聞きました。兄とコンビを組んでたって」

伊達「宮城とは同期だった。優秀な刑事だったよ」

あすか「…早く事件解決しましょう!被疑者不明のままじゃ遺族はずっと苦しみ続けることになりますから」

***********************************************************

<25年前>

(灘木、自分に包丁を突きつけている伊達に銃口を向けて)

灘木「これで俺を差すつもりだったのか。いい度胸してんじゃねえか。刺してみろ、親父とおふくろ救いたいんだろ?…刺せよ、刺せって!」

(伊達は灘木を刺せない)

灘木「時間切れだ」

(灘木、伊達の両親を射殺する)

灘木「おまえが俺を刺してれば2人は助かったのになあ?おまえのせいだ。おまえが殺したんだ」

(灘木、伊達の両親の遺体をコンクリート詰めにしはじめる)

灘木「坊主、世の中正義なんか通用しねえ。悪党を倒してえんなら悪に染まるしかねえんだよ」

(伊達、灘木を背後から刺す。灘木倒れる)

灘木「小僧…」


***********************************************************

井筒「眠れねえのか?」

伊達「…課長は殺したいほど憎い相手っていますか?」

井筒「刑事部長」

伊達「即答ですね」

井筒「ふふん。でも殺さない。それが人間ってもんだ」

伊達「もし殺したら?」

井筒「そいつは人間じゃねえ。バケモンだ」

***********************************************************

(あすか、男子トイレに踏み込み、個室をドアをノックもせず開ける)

あすか「課長!」

井筒「(個室で隠れタバコ中)…あ、びっくりした」

あすか「なんですかこの調書!これじゃ木内に非がないみたいじゃないですか!納得できません」

井筒「別に君が納得しようがしまいが関係ないの」

あすか「だったら直接上に掛け合ってみます!」

井筒「やめとけ。警察辞めたくないだろ?」

あすか「このまま黙ってなんていられません!目の前に満くんを殺した犯人がいるんですよ!弱きを守るのか警察じゃないんですか?私は許せません、絶っ対に!」

(井筒、あすかの顔の横の壁を拳で叩く)

井筒「俺達はねえ、特別な力を持っているわけじゃない。所詮ただの人間だ。逆らえない相手だっているし限界だってある」

あすか「…じゃあ木内は誰に裁かれるんですか」

井筒「さあねえ、正義のヒーロー、じゃないかな?」

***********************************************************

井筒「おまえどう思う?こうして犯罪者が野放しされる世の中」

伊達「……」

井筒「…やりきれないねン」

***********************************************************

被害者の父「犯人を殺しても満が帰ってくるわけじゃない。そんなこと誰も望んじゃいない。わかってる。わかってるんだ。でもだったら、この怒りや悲しみを誰にぶつければいい?犯人が捕まるまで俺達の時間は永遠に止まったまんまだ。そんなの、たまんねえよぉ」

伊達「河相さん、…あなたが犯罪者になっちゃいけない」

***********************************************************

(被害者家族を心配するあすかに)

伊達「大丈夫なわけがない。苦しみは続く。なのにその痛みを和らげてやることは出来ない」

***********************************************************

久遠「どこ行くの?」

伊達「帰るんだよ」

久遠「さすが仏の伊達さん。凶悪犯にも優しいんだね。また犠牲者が出るかもしれないっていうのに」

伊達「警察では木内は裁けない」

***********************************************************

伊達「満くんの痛みを家族の苦しみを今度はおまえが味わう番だ」

犯人「なんだよ!俺を殺して英雄気取りかよ。刑事がそんなことしていいと思ってんのかよ!」

伊達「法から逃れたものを裁く。それだけだ」

犯人「頼むよ、撃たないでよ、助けてよう!」

伊達「お前に明日は来ない」

***********************************************************

目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円

2010年8月6日金曜日

フジテレビ・オン・デマンド

フジテレビでは「ジョーカー 許されざる捜査官」の放送を見逃した人のためにオンデマンド・サービス「フジテレビ On Demand」を提供している。
(「ジョーカー 許されざる捜査官」のページはこちら

現在のところ火曜日の放映されたものは「同じ週の金曜日午前10:00より提供開始」となっている。提供内容には本編の他に、オープニング、エンディング、予告も含まれる。CMはなし。

購入単位は「1話づつ」と「全話パック」の2種類。
「1話づつ」だと1話315円で購入後8日間見放題、「全話パック」だと全話まとめて1575円で10月31日まで見放題だ。

提供の形式はWindows Media PlayerかFlash Video。
携帯電話用に「フジテレビ On Demand モバイル」もある。

途中から見始めた人、旅行などで見れない回がある人、うっかり見逃してしまった人などにお勧め。


目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円

2010年8月4日水曜日

第四話:あらすじ

法から逃れた者に制裁を加えていた伊達一義(堺雅人)は、その行為に久遠健志(錦戸亮)を巻き込んだことを三上国治(大杉漣)から責められる。伊達は、久遠が昔の自分に似ていて放っておけなかったと弁明する。

その頃、11人を死傷させた無差別殺人犯・椎名高弘(窪田正孝)に心神喪失が認められ、無罪の判決が下った。

久遠は、事件発生当初から被害者のうち女子高生・皆瀬桃子(金澤美穂)だけが3度も刺されていることを問題視。もしも桃子を狙った犯行ならば、心神喪失は偽装になるのでは、と指摘していた。しかし、無差別殺人の路線が崩されることはなかった。

そんな久遠の話を聞いた伊達は、確定した無罪が覆ることはないと知りつつも、3日間の休暇を取ると桃子の自宅へ。しかし、桃子の父・士郎(甲本雅裕)は、桃子と椎名に接点はなかったはずだと答える。

その後、桃子の携帯電話を調べると、友人・柏木奈美(近藤未来)から「店にあいつが来ていた」というメールを受信していたことがわかる。伊達は、奈美が働くカラオケ店を訪ねるが、奈美はメールを覚えていなかった。さらに伊達は店長(まいど豊)に、防犯カメラの映像を見せてくれと頼むが、休暇中で刑事だと言えないため拒否される。すると、宮城あすか(杏)が現れ、スッと警察手帳を掲げた。

伊達とあすかは、映像を丁寧に調べていくが、なかなか収穫は得られない。が、夜も更けたとき、ある映像が伊達の目に止まる。それは、喫煙で補導された3人組の高校生で、そのなかのひとりが椎名だった。さらに映像から、店で働く桃子と、姿は隠れていたが士郎がいたこともわかった。

士郎は、桃子に傘を届けに行ったとき、喫煙する高校生を見て注意をしたが、3人が反抗的な態度を取ったため警察を呼んだと証言。その後、補導された椎名が高校を退学させられたと聞いた士郎は、それなら自分への復讐のために娘を殺したことになるし、心神喪失は偽装になるから裁判をやり直してほしいと訴える。しかし伊達は、新たな証拠が出てもそれが被告人に不利になる場合は認められないのだ、と法律の限界を説明する。

そんな翌日、椎名が収容されている病院に、「椎名高弘を殺害する」と書かれた脅迫状が届けられ、指紋から士郎の犯行だと断定される。椎名の身に危険が及んでいることから、県警本部で椎名を保護することに。早速、護送されてきた椎名は会議室で待機していた。そこへ、やってきたのは伊達だった。伊達は椎名に声をかけるが、心神喪失を装うかのように椎名は答えない。そんなとき、伊達の携帯が鳴った。それは士郎からで、あすかを人質に取っているから、椎名を連れてあるライブハウスまで来いと言う。県警本部にいる椎名を連れ出せない、と答えた伊達に、士郎は何としても連れて来いといって電話を切る。それを聞いていた椎名は、「一緒に行ってあげるよ」と不敵な笑みを見せる。

「椎名を少し借ります」というメモを残すと、椎名を車に乗せ、伊達はライブハウスへと向かう。車中、椎名は桃子を殺害した動機を、自分の人生を台無しにした士郎の惨めな姿を見たかったからだと明かす。伊達は、さらに椎名が桃子に好意を持っていたことを言い当てる。思わず核心を突かれ興奮した椎名は、心神喪失を装うために、桃子以外に10人を刺したのだと遂に認めた。

ライブハウスに着いた伊達は、椎名を士郎に対面させる。椎名は怒りに震える士郎をバカにし、さらに桃子のことも侮蔑した。怒りが抑えられない士郎は、持っていた包丁を構えると椎名に向かい突進して行く――と、それを受け止めたのは伊達の右手だった。

やがて、来栖淳之介(平山浩行)らが現場に到着。士郎は、手錠をかけられ連行される。その姿を見て、椎名はまたも暴言を吐く。

その後、椎名が病院に戻ったことを確認した伊達は、その旨を三上に報告する。

するとその日の夜、椎名は医師らに言われ急きょ退院することに。マスコミ対策のため、深夜に裏口から出てくれと言われ、椎名はひとり病院を後にする。しかし、この退院は三上が仕組んだ罠だった。

同じ頃、片桐冴子(りょう)は、井筒将明(鹿賀丈史)に会い、どうして警察は"神隠し"を追わないのか、と迫まるが、明確な答えは得られずにいた。

椎名が深夜の街を歩いていると、後ろから黒づくめの伊達が、前方からは久遠が現れた。そんな伊達らに、自分は選ばれた人間だからあんなに殺しても罪に問われない、とまったく悪びれた様子を見せない椎名。伊達は、そんな椎名に銃口を向け、だったら自分が裁くと言って発砲する。撃たれて地面に倒れた椎名は、意識が朦朧とするなか、自分が精神鑑定で心神喪失を装えたと本気で思っているのか、と意味深な言葉を残す。

その後、埠頭で待っていた三上に椎名を引き渡すと、久遠が制裁を下された者たちはどこに閉じ込められているのか、と伊達に疑問を投げかける。しかし、伊達は、自分は知らないし知りたいとも思わない、と答えるだけだった。

その後、バーに戻った伊達は、椎名の意味深な発言に何か引っかかりを感じ…。

(以上公式サイトhttp://www.fujitv.co.jp/JOKER/index.htmlより)


目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円

第四話:概要

放送日: 2010年8月3日
タイトル: 「CRIME4 無差別殺人に隠されたナゾ」
演出: 石川淳一


<ゲスト>

椎名高弘: 窪田正孝

皆瀬士郎: 甲本雅裕

皆瀬桃子: 金澤美穂


カラオケ店店長: まいど豊

柏木奈美: 近藤未来


目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円

2010年8月3日火曜日

ジョーカー年表

<35年前>

●1975年6月29日
 伊達一義、生まれる。

●宮城夏樹、来栖淳之介、片桐冴子、生まれる。


<25年前>

●久遠健志、生まれる。

●1985年11月xx日
 三上国治の妻と息子(シゲハル)が殺される。
 シゲハルは伊達と同じ年齢だった。

●1985年12月18日
 横須賀市の五石倉庫の埠頭で伊達一義(当時10歳)の両親が殺される。
 伊達に刺された灘木剛士は一命を取り留めた。
 事件当時刑事だった三上は伊達の罪を隠蔽する。
 両親を失った伊達は養護施設に引き取られる。


<24年前>

●宮城あすか、生まれる。


<21年前>

●久遠健志の母親が死亡。久遠は当時4歳。
 以降、父親と2人暮らし。
 10歳で父親に捨てられるまで父親に酷い虐待を受けて育つ。


<20年前>

☆三上は伊達を心配して何度も施設に足を運ぶ。


<15年前>

●真夏
 久遠の父、水道も止まった部屋に10歳の久遠を置き去りにして蒸発。


   ※エンディングの「一家惨殺事件 未解決のまま闇の中」が
    久遠の身に起こったことと想定

    ●久遠健志(当時10歳以下)の家族が惨殺される。
     おそらく犯行は久遠の目の前で行われた。



<12年前>

●1997年
 伊達一義、山ノ手警察署に配属。


<10年前>

●2000年春
 伊達一義、山ノ手警察署から神奈川県警捜査一課に異動。
 教育係は当時係長の井筒将明。(三上から頼まれる)

☆この時点で三上の妻子を殺した犯人は捕まっていない。
 (目星はついているが証拠がない)

☆このころには既に伊達のいちごみるく好きは始まっている。


<8年前>

●2002年
 灘木剛志、出所。
 その後も取り立て屋として保険金殺人を繰り返す。


<7年前>

●2003年3月~
 2005年9月までに警視庁を退官した上層部の人間13人が「UNDERGROUND V」として
 後に夏樹によってリストアップされることになる。

●2003年4月~
 JOKERという名義の口座に、警察内部から毎月6千万から一億弱程度の入金が始まる。
 2005年12月時点で残高は18億2051万3000円。

●2003年7月25日
 JOKERの口座から12億4400万円の支出。

●2003年11月21日
 JOKERの口座から12億350万円の支出。


<5年前>

●2005年
 片桐冴子、あすかの兄・宮城夏樹が同じ日に、伊達のいた捜査一課強行犯係4班に
 配属される。

●2005年4月7日
 東京都の警察費として79億5000万円の機密費が計上される。

●2005年11月頭頃
 井筒、東京都の「平成17年度4月分警察費内訳」に「機密費(捜査報酬費)」として
 79億5000万円もの捜査費が計上されているのを見つける。
 警察内の不正を疑った井筒は夏樹と共に秘密裏に捜査開始。

●2005年12月6日頃
 井筒が使っていた情報屋のチンピラ西崎隆明と井筒が口論。目情あり。

●2005年12月7日
 西崎隆明、左上腹部を刺され死亡しているところを発見される。
 夏樹は西崎を知っていた。他にも井筒の何かを知っていた様子。
 このとき伊達と冴子は付き合っていた。

●2005年12月13日
 宮城夏樹の行動は以下の通り。
 午前7時半頃、緑区青柳の自宅を出ていつものように電車に乗る。
 午前8時半頃、神奈川県警察本部に到着。
 午前10時には西崎隆明殺害事件の地取りのため神奈川県警察本部を出る。
 (捜査一課近澤優斗巡査部長が確認。単独捜査) 
 西崎がよく通っていた定食屋と最寄のコンビニで聴き取り。
 ファーストフード店で昼休憩。
 スーパーやクリーニング店で聴き取り。
 その後信用金庫に立ち寄り、借りていた貸金庫に「Natsu」と表書きした
 CD-ROMを預けた。

●2005年12月13日20:52
 夏樹、井筒にメールを打つ。
 内容は「データをCD-Rに落としました パスワードは「JOKER」」
 このCD-ROMにはパスワードロックの他にコピーガードも施されていた。

●2005年12月14日午前1時20分頃
 川崎コンビニ強盗殺人事件発生。
 現場は川崎市川崎区中央5丁目23-4コンビニ「スマイルストア川崎中央店」
 犯人は少年2人。犯人を追ったコンビニ店員が刺殺される。
 被害者:山井智和(やまいともかず、1985年5月21日生まれ、当時20歳)。
 本庁の担当刑事は伊達、所轄の担当刑事は来栖。
 夏樹の事件発生の時間帯、伊達は井筒と一緒に捜査をしていたと証言。

●2005年12月14日午前6時半頃
 宮城夏樹刑事、神奈川県横浜市中区若葉4丁目の路上にて左上腹部を刺され死亡。
 最期の言葉は「どうして、あなたが」。
 犯人は明らかにナイフの使い方に慣れている人間で体術も身につけている。
 宮城夏樹と西崎隆明を殺したのは同一人物。
 午前7時半頃、現場検証。井筒現場入りして夏樹の携帯電話を確保。
 井筒、夏樹の携帯電話からCD-ROMのパスワードを記した送信済みメールを削除。
 午前9時、鑑識に夏樹の携帯電話を返却(報告書にも「証拠隠滅の可能性あり」)。
 井筒将明は容疑者の一人となった。
 警察中で井筒が犯人のように言っていた。井筒が犯人とのタレコミもあった。
 井筒を取り調べたのは伊達。井筒は犯人ではないと感じた伊達は井筒のアリバイを偽証。
 (川崎コンビニ強盗事件の捜査で一緒だったと証言)
 この時点でまだ刑事だった三上はホンボシは井筒だと主張していた。
 犯人は警察内部にいることは確か。不祥事を恐れた上層部が圧力をかけ、
 被疑者不明でこの事件は早々に迷宮入りした。


☆この頃から神隠し事件が発生し始める。
 この5年間で少なくとも17人の容疑者が行方不明。
 当時の神隠し実行犯の一人は三上。

●保険金殺人を繰り返していた日向光明と吉住武徳の父親を三上が裁く。


☆神隠しにあった容疑者の事件のうち、以下の2件がマスコミ未発表。

●2005年12月11日
 鶴見雑誌記者変死事件。
 被害者:西野さくら(当時25歳)
 容疑者:吉川幸典(当時28歳)元交際相手?父親は鶴見台警察署長(警視正)

●2005年12月23日
 東鎌倉放火殺人事件。 
 被害者:前川優子(当時21歳)
 容疑者:寺井貴志(当時30歳)元交際相手、伯父が検察幹部

☆この時点で三上と冴子はまだ刑事。
 冴子の同期は伊達、故・宮城夏樹、来栖淳之介(当時は所轄刑事)。


<4年前>

●2006年冬
 片桐冴子、退職。
 このとき既に伊達と冴子は別れている(冴子が伊達を振った)。


<3年前>

☆この時点で三上はまだ刑事。

●伊達、灘木剛志に再会。
 伊達が灘木を刺したことをネタに脅迫。1000万円要求される。
 相談を受けた三上は自分が神隠しの実行犯であることを明かす。

●伊達と三上、灘木の自殺教唆の現場に居合わせる。
 伊達、灘木の変わらぬ非道ぶりに灘木に向かって麻酔銃の引き金を引く。
 伊達一義、神隠しの実行犯の一人になる。

☆このころから井筒と三上は会話をしていない


<2年前>

●2008年
 横浜無差別殺人事件発生。
 現場は当時来栖がいた所轄。 
 当時既に鑑識員だった久遠も関わる。

●2008年
 久遠の父親から久遠の元に母の形見のブローチが届く。
 父親は介護施設に入所していた。
  介護老人保健施設「まほろばの家」
  417-0097 静岡県富士市今泉4002-1


<現在>
 
●2010年夏
 宮城あすか警部補、神奈川県警捜査一課強行犯係4班に配属される。

●2010年夏
 久遠、伊達・三上の仲間になる。

●2010年夏
 あすか、冴子と組んで一緒に夏樹殺害事件を追い始める。

●2010年夏
 来栖、川崎コンビニ強盗殺人事件で井筒は捜査に加わっていないことを冴子に話す。
 伊達が証言した夏樹殺害事件当時の井筒のアリバイが崩れる。
 (伊達は井筒を泳がせるため嘘の証言をしていた)

●2010年夏
 あすか、夏樹殺害事件捜査資料の最後のページがないことに気づく。
 深夜、井筒の机を漁って手提げ金庫からそのページを見つけたあすかは
 それを冴子に預ける。そのページには殺される前日の夏樹の足取りが書いてあった。

●2010年夏
 冴子、夏樹が殺された前日の足取りから、夏樹が信用金庫に貸金庫を
 借りていたことを 突き止める。
 遺族以外は金庫を開けられないため、冴子はあすかと共に出掛けて金庫を開ける。
 そこには夏樹が遺した「Natsu」の文字が入ったCD-ROMが1枚入っていた。
 CD-ROMは冴子が預かる。

●2010年夏
 冴子、CD-ROMの存在を井筒に話す。

●2010年8月26日昼
 冴子、伊達の病室を訪ね、あすかにCDを渡して欲しいと頼む。
 中には「夏樹事件の真相が判るかもしれない。夜9時、根岸の穀物ビルに着て」という
 メモを入れていた。

●2010年8月26日夕刻
 伊達、冴子から頼まれたCDをあすかに渡す。

●2010年8月26日午後8時
 井筒、思いつめた表情で自席を立つ。
 同時刻、伊達と久遠は日向の制裁へ。

●2010年8月26日午後9時
 あすか、伊達から渡されたCDの中身が夏樹のCD-ROMだと気づく。
 冴子からのメモを見て捜査一課から飛び出す。

●2010年8月26日午後9時頃
 冴子、横浜市中区根岸の穀物ビルにて何者かに左上腹部を刺される。
 伊達、冴子から「会いたい」との電話を受ける。
 冴子の様子がおかしかったことから、日向の引渡しを久遠に頼んで穀物ビルに向う。
 穀物ビルで左上腹部を刺されて絶命寸前の冴子を見つける。
 伊達に「犯人は知らない方がいい」「正義って何なんだろうね」と言い遺し、
 片桐冴子死亡。
 直後にあすかが穀物ビルに到着。
 
●2010年8月26日午後9時以降
 冴子殺害現場で現場検証開始。第一発見者は伊達一義。
 事件名は「本牧ルポライター殺人事件」。
 日向を三上に引渡していた久遠は現場に遅れて到着。
 その後井筒が現場に到着。
 犯人は夏樹を殺した犯人と同一でプロの犯行。

●2010年8月27日夜
 伊達、バーMikamiで冴子が愛飲していたウイスキーを飲んで弔う。

●2010年8月29日
 伊達、冴子殺害事件の捜査から離脱。
 冴子が悔いを残していた「横浜女子大生バラバラ殺人事件」を追う。

●2010年9月頭
 冴子殺害現場に残されていた毛髪などを警官のDNAデータベースと
 付き合わせたところ、現場にいた捜査員のもの以外は検出されなかった。

●2010年9月頭
 あすか、夏樹のCD-ROMを開こうとするがパスワードロックが掛かっていることに気づく。
 あすか、井筒にCD-ROMを見せ、パスワードを知っていたら教えて欲しいと頼むが
 井筒は「君は知らなくていい」と教えない。
 あすか、伊達にCD-ROMを見せ、パスワードを知っていたら教えて欲しいと頼む。
 伊達、夏樹殺害後に井筒が現場から携帯電話を持ち去ったことを思い出す。
 署に保管されていた夏樹の遺留品から携帯を見つけるがそれらしい情報は残っていない。
 久遠、携帯から削除されたメールの復旧にとりかかる。 

●2010年9月頭
 久遠、夏樹の携帯から削除されていた送信済みメールを復旧させ、
 CD-ROMのパスワードを入手。
 CD-ROMを開くと表計算ソフトで作られたデータが表示された。Sheetは3つ。

 【Sheet1】
  口座番号(普通)1078821、口座名義JOKERの入出金記録
  2003年4月から毎月、6千万から一億弱の入金。
  摘要は警視庁警務部、警察庁警備局公安課、警視庁総務部、神奈川県警察総務部など。
  2003年7月、2003年11月に12億円を越える支出あり。摘要不明。
  残高は約18億円。

 【Sheet2】
  「UNDERGROUND V」と書かれた13人の警視庁OBのリスト
  H15~H17の3月もしくは9月に退官した元警視総監、元警視庁副総監、
  元警視庁警務部長、元警視庁警務部参事官、元警視庁公安部長、
  元警視庁総務部長、元警視庁刑事部長、元警視庁刑事部参事官。

 【Sheet3】
  34.633208,139.759827
  ※これは緯度と経度を示している。地図上では大島沖東南東約40kmの地点。

●2010年9月頭
 あすか、単独で警視庁の地下5階を探しに行く。
 伊達の言葉からあすか達がCD-ROMのパスワードを解いたことを知った井筒も警視庁へ。
 井筒、あすかに「自分と夏樹が警察の裏金を追っていたこと」、
 「それに気づいた敵からの警告で井筒が使っていた情報屋が殺されたこと」、
 「これ以上は危険だから夏樹に手を引くよう言ったが夏樹は聞かなかったこと」
 「夏樹も殺され、夏樹が掴んだ危険な情報を守るために携帯から送信済みメールを
  削除し、CD-ROMに辿りつかせないため捜査資料から夏樹の殺害前日の足取りが
  書かれたページをかくしたこと」をあすかに明かした。
 井筒、あすかに「これ以上は黙っていらない。ホシを上げる。そのために相手が
 アクションを起こすのを待つ」と宣言。
 井筒、あすかが夏樹のCD-ROMを持っていることを確認。
 井筒とあすかの会話の一部始終を見ていた者あり。井筒も気づいている。

●2010年9月頭
 久遠、警官のDNAデータベースにからくりがあったことに気づく。
 科捜研に依頼(9月2日付)したDNA鑑定の結果がまもなく出ることをあすかに告げる。

●同日19:32
 あすかの携帯に非通知設定の着信。
 相手はボイスチェンジャーを噛ませた声でJOKERを名乗り、
 CD-Rと引換えに夏樹を殺した犯人を教えると言ってあすかを呼び出す。

●同時刻
 久遠、科捜研からの鑑定結果を受け取る。
 鑑定書に添付されていたのはDNA型が違うことを証明するDNA鑑定報告書。
 鑑定書の内容は以下の通り。

  1.事件名 本牧ルポライター殺人事件
  2.鑑定試料 ●現場遺留品(毛髪)
  3.鑑定事項 (1)試料のDNA型鑑定
        (2)二つの鑑定試料の一致判定
        (3)その他参考事項
  4.鑑定経過 省略
  5.関係結果 鑑定試料のDNA型の鑑定結果は、元警視庁(以下不明)

 久遠、鑑定結果に衝撃を受ける。
 久遠、伊達に連絡をしようとするが思いとどまる。
 久遠、バーMikamiの固定電話宛に電話を掛け、電話に出た三上に、急用が出来たため
 「横浜女子大生バラバラ殺人事件」の犯人鈴川の裁きに行けないことを告げる。
 三上、その旨伊達に伝えると返答。
 
●同日8:33
 久遠、神奈川県警察本部にも近い路上に停めた車中で尾行相手を待つ。

●同日
 冴子が殺された根岸の穀物ビル前にフードを被った男が現れる。
 久遠はこの男を尾行中。そこへあすかが現れる。
 あすかは男にも久遠にも気づかず待ち合わせ場所の穀物倉庫の中へ。
 あすかを追おうとする男を久遠が止める。
 その男の正体に気づいていた久遠は「知りたくなかった」という。
 夏樹と冴子を殺したのもこの男。
 久遠を殺そうとサバイバルナイフで襲ってきた男からナイフを奪った久遠は、
 これ以上この男が自分に襲いかかってくることはないと信じていたのか
 サバイバルナイフを拾うために男に完全に背を向ける。
 男は予備のナイフを取り出し、久遠の左上腹部を刺す。
 刃先を上方に向け致命傷を与えようとする男に抵抗する久遠。
 物音を聞きつけたあすかが久遠と男を見つける。
 男は逃走、久遠はその場に崩折れる。


人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円

第三話:感想

今回はとにかく錦戸と堺の演技力に救われた回だった。

このドラマには2本のストーリーラインがある。一つは一話完結型の「事件のストーリーライン」、もう一つはシリーズ全体を通した「ジョーカーのストーリーライン」だ。
前者の事件のストーリーラインは回を追うごとに甘くなっており、第二話終了あたりで既に離れている視聴者も多くいると思われる。今残っている視聴者の多くが注目しているのは後者のジョーカーのストーリーラインだろう。

第三話ではこのジョーカーのストーリーラインが大きく動いた。
前回ラストで伊達の正体を突き止めた久遠が、今回ラストで伊達の仲間になった。
構成上、時間の多くは事件のストーリーラインに割かれてしまうので、堺と錦戸はそのときどきの伊達と久遠の心情の移り変わりを短いシーンやカットで的確に表現しなければならない。

つたない脚本家だとこの心情の変化そのものを台詞にしてしまうところだが、そういった台詞を伊達と久遠に与えなかったことは評価出来る。
そのぶんストーリーの説得力は堺と錦戸の演技力に委ねられてしまうが、脚本もそれだけの信頼を堺と錦戸に寄せているということなのだろう。現にその期待に堺と錦戸は十二分に応えていた。

伊達の闇の制裁の現場を突き止めた久遠の狂気すら感じさせる笑顔と、何の感情の揺れも感じさせない冷たい表情の伊達から第三話は始まった。
新しいおもちゃを見つけた子供のように好奇心たっぷりで「自分も仲間に入れろ」と脅しを掛けてくる久遠に伊達は取り付く島もない。

伊達は闇の制裁を必ずしも正しいこととは思っていない。
闇の制裁者になったいきさつも心情もまだ明らかになっていないが、人を刺したのに罪を逃れてしまった自分は他の人間と違うと伊達は感じており、そんなことに久遠を巻き込みたくないと思っている。
バレてしまって色々と纏わり付いてくる久遠を「厄介なヤツにバレた」とは感じていても、久遠自身を拒絶しているわけではない。

基本笑顔が張り付いたままの伊達だが、そのときどきの表情のリアクションで様々な感情を伝えてくれる。
久遠の頭の良さと実力を認めているからこそ、久遠が何かの行動を取ったときには警戒をする。とはいえ久遠が自分を逮捕するとも思っておらず(いっそ逮捕してくれていいと思っているのかもしれないが)、自分の闇の仕事に異様に関わりたがる久遠に何か事情がありそうだとも感じている。
このあたりの堺の演技が抜群に上手い。

一方の錦戸も堺に一歩も引けを取っていなかった。
久遠の痛ましい過去を知った伊達は久遠を仲間に入れるのだが、ここの伊達の心情の変化に視聴者が共感出来なかったらドラマ自体が終わりだ。ここでは伊達の決断に説得力を持たせるだけの錦戸の演技が求められた。

第一話から錦戸は目立ちすぎない程度に久遠の闇を視聴者に予感させてきた。
人の痛みがわからない下衆野郎は殺してやりたいという凶暴性と危うい狂気、その裏に見え隠れする寂しさと絶望感。それに伊達は気づきやがて久遠を受け入れる素地となっていく。

揺さぶりを掛けても乗ってこない伊達に久遠の興味は高まっていく、また一方で、今回の被害者の体中に残った痛ましい痣が久遠の怒りを駆り立てていく。
伊達の両親がヤクザに殺されていることを調べあげた久遠は、その事件が伊達の制裁者としての顔を作り上げたのかもしれないと井筒に聞き込みを行う。

この時点までで久遠の中にあったのは「伊達自身」と「伊達の闇の仕事」に対する好奇心でしかなかった。しかし井筒から「伊達の両親は伊達の目の前で殺された」と聞いた瞬間、久遠の中の何かがはじけた。ここから先の錦戸の演技は絶品だった。

凶暴性や狂気、好奇心、チャラ男の仮面を纏ったまま、伊達に救いを求める心が久遠の全身から滲みはじめる。しかし伊達はまだそれに気づかない。
伊達に「君を相棒にするつもりはない」ときっぱり拒絶された久遠は、犯人を拉致して自白を強要するという暴挙に出る。無論それが警察官として間違った行動であることは承知の上で、久遠は伊達に何かを判ってもらおうとしていた。
しかしこの時点では伊達は久遠のとんでもない行動に呆れているに過ぎない。

伊達の心情が大きく変化したのはこの後だ。
余裕綽々で尋問を始めた久遠だったが、予想外のところから久遠が隠し続けてきた悲惨な過去が曝されてしまった。

久遠の背中に残った酷い虐待の痕に気づいた犯人は、久遠の心を土足で踏み荒らしナイフのような言葉で切り刻み始めた。最初は対峙しようとした久遠だったが、容赦なく傷を抉られる痛みに感情を隠しきれなくなっていく。
いきなり虐待の傷痕のことに触れられて内心で動揺し、「下衆野郎の被害者」「身体だけじゃなく心にも深い傷を負ってるんだよな」と畳み掛けられて怒りよりも先に恐怖を抱いてしまう。
親に虐待されたのかと吹っかけられて僅かに奥歯を噛んでしまい犯人に一番知られたくないことを知られ、親に虐待されたことを嘲笑われて悲しさに虐められた子供のように目に涙を浮かべてしまう。
コンプレックスの塊だと言われて気持ちを奮い立たせて言い返してみても、傷つけることを楽しむように威圧的に「強がんなよ」「怖いんだろう」「他の奴らと違うことに怯えてるんだろう」と切り替えしてくる犯人に悔しさで泣き出す寸前になってしまう。
そして「親に仕返しも出来なかった弱虫」と罵られて、とうとう犯人を殴りかかってしまう。

この間、久遠には台詞も動きも殆どない。
しかし錦戸はごくごく僅かな表情のこわばりや視線の下がり具合、瞳の潤みなどで、久遠の背負った心の傷の深さを表現してみせた。これはドラマが始まって初めて見せる久遠の素の姿でもあった。

PCの画面から一部始終を見ていた伊達は久遠の痛みを感じ取って顔を歪ませ、追い詰められた久遠が犯人を殴りはじめるのを見て久遠を止めるために席を立った。はじめは早足だったのが走りだしてしまうところで、伊達の焦りが上手く表現されている。

伊達が久遠の元に辿り着いたとき久遠はまだ犯人を殺してはいなかった。久遠の背中には虐待の酷い傷痕が浮かんでいる。伊達はその傷痕だけで久遠の心の傷の深さを察したことだろう。
「罪を罪と思っていない奴が許せない、悪人を捕まえられない世の中が許せない」と叫ぶ久遠に、伊達は「君のやり方は間違っている」と諭す。
「わかってるよ。でもあんたには知ってもらいたかった」という久遠の涙混じりの言葉からは、控えめで、それでいて必死な伊達へのS.O.S.が感じられる。
久遠が伊達にわかってもらいたかったのは、この犯人のような人の痛みが分からない悪人がいることなのか、それともこのような悪人に傷つけられたままになっている人間がいることなのか…。

そして犯人の被害者に対する無慈悲な言葉に逆上した久遠の、血を吐くような悲痛な呻きで場面はクライマックスを迎える。
「おまえに殴られても蹴られても、それでも耐えてた彼女の気持ちがわかるか?わかるわけねえよなあ!」
犯人の眉間に銃口を突き当てる久遠の怒りと悲しみが煮え立って殺気に変わっていく。
久遠が犯人に見ていたのは被害者の悲しい姿だったのか、別のものだったのかはわからない。その怒りが本当にこの犯人に向いたものだったのかすらもわからない。

久遠の箍が外れかけた瞬間、伊達は体当りをして久遠を止めた。
「殺しちゃいけない。終わりのない苦しみを与えるんだ。被害者たちのように。こいつに明日は来ない」
ゆっくりと諭す伊達の背で俯く久遠の心に去来するものは何だったのか。本当に殺したかったのか、止めて欲しかったのか。それもまだわからない。

いつものチャラ男の仮面をすっかり剥がされ、心を剥き身にされてしまった久遠は、何の鎧も纏わずに伊達に向かって助けを求めた。
涙を浮かべて、自分も普通じゃない、どうにかなってしまいそうで苦しい、と訴える久遠には、溺れる者が藁にも縋るような必死さが窺われる。一方でどこかで「それは藁だ」と判っているような諦めも見て取れる。
伊達が机を開けるために後ろを向いたときも、久遠はそれ以上伊達に縋るわけでなく、やっぱり駄目だったという表情で目を伏せただけだった。伊達が最初の仕事だと通帳を渡したときも、喜ぶより困惑のほうが先に立って、じっくりと伊達の言葉の意味を噛み締めているようにみえた。

伊達が久遠に感じていた狂気や危うさ、久遠が背負っている心の傷、それらはやがて伊達の仕事の足を引っ張ることになるのかもしれない。
しかし伊達は誰からも手を差し伸べられずにきた久遠の捨て身のS.O.S.を受け止めた。
それはかつて三上が子供だった自分に「おまえが苦しんでるなら、痛みを抱えてるなら、俺が一緒にせおってやる」と手を差し伸べてくれたことも関わっているのだろう。

もしかしたら久遠の暴走が伊達の命運を左右するようなことも起こるかもしれない。そしてそれは久遠の命運をも左右することになるのかもしれない。
何にしてもここまで説得力と余韻を残した堺と錦戸の演技の確かさには賞賛の言葉しか浮かばない。

今回「ジョーカーのストーリーライン」が素晴らしかったのに対して「事件のストーリーライン」は内容も演出もリアリティに欠けるものだった。「事件のストーリーライン」自体の甘さに関しては後で書くことにして、ここでは演出について触れたい。

第一話・第二話も事件のストーリーラインにはツッコミどころ満載だったが、演出の上手さでうやむやにしていたところがあった。今回の演出もテンポはいいし、少し笑いも入れて、ポイントになる部分は判りやすくという方針は理解できる。
しかし、細かな積み重ねによって生まれて些細なことで呆気無く崩れるのがリアリティというものだ。今回はその辺りに手を抜いたという印象を強く感じた。

例えば、被害者家族がまったく貧しいように見えない。
父親が倒れて収入がなくなり病気なのに手術も受けられず、被害者が風俗で働いて両親の生活費と手術代まで稼いでいたという割には、両親の暮らし向きは裕福に見える。
被害者が暮らすアパートもさっぱりと小綺麗で、被害者にも崩れた感じがない。

もちろん、被害者が売れっ子だったので両親の暮らし向きも良かったとか、被害者は風俗に務めていても崩れたところが一切ない聖女のような女性だったとか、裏設定を作れば切りがない。しかしそれらの演出がストーリーラインで活きない以上、単にリアリティを削ぐだけだ。

もしかするとこれらは「死亡時間のトリックに高価な断熱カーテンを使う」という脚本に引きずられたものなのかもしれないが、であれば父親の身体の負担のために粗末な家に不釣合な断熱カーテンがあるというほうがリアルだ。
また両親の悲痛な叫びも、こんな最低の生活ですら娘に夜の商売をさせてそれに見て見ぬ振りをしなければ送れない不甲斐なさと、みすみす娘を死なせてしまった無念さが、ストーカーを止められなかった警察に向いたとしたほうがより切ない。

久遠が犯人を拉致した際にシャツを脱いだシーンにも必然性が感じられなかった。
あすか達が部屋に来たときにも慌ててシャツを着ているくらいだから、久遠は人前でシャツを脱いだ状態でいることに多少なりとも躊躇いを持っているだろう。
暴力の脅しをかけるために相手を睨みつけながらシャツを脱ぐというのはいかにもマンガだ。

しかも犯人は肩越しに覗く僅かな傷痕でそれが虐待によるものだと見抜いた。
久遠と犯人はずっと向かい合っているので犯人から背中は見えない。肩口から覗く火傷痕など、事故か何かで出来たものだと考えるのが普通だろう。
ただし久遠の傷痕は背中側から見ると虐待の痕であることがよくわかる。境目のはっきりした大きな火傷痕はアイロンを押し当てられたもの、その隣の丸い火傷痕はタバコの火を押し当てたことによるものだろう。
これは犯人が久遠の背中を見て虐待によるものだと見抜いたという演出が正しい。

であれば最初から拉致した現場を、最初から非常に温度が高い設定にしてしまうと方法もある。
猛暑のシーズン、外に気づかれないよう閉めきってクーラーも止めた理科室、熱気がこもった緊迫した空間。そこであれば暑さで久遠がシャツを脱いでも、暑さで少々集中力が切れて犯人から視線を外して横を向いてしまっても不自然ではない。

ついでにいえば、冒頭で伊達が久遠のみぞおちを殴るシーンも、伊達が久遠の拳銃を掴むシーンももう少し臨場感が出るように演出したほうが良かった。カメラアングルも全体的に学園モノやラブコメのようで、一話二話にはあった緊迫感に欠けていたように思う。

「ジョーカー」がどの方向に進みたいのかいまひとつ掴みかねる部分があるが、冒頭の注意書きのように事件にリアリティを持たせたいなら「事件のストーリーライン」に推理モノが得意な脚本家を追加するべきだ。
もし「ジョーカーのストーリーライン」で持って行きたいならキャラクターの心情を深く掘り下げて脚本を作り上げ、その理解を俳優と共有していく必要があるだろう。このドラマにはそれを十二分に活かす俳優が揃っている。
全体のリアリティを増したいならジョーカーの世界とキャラクターを熟知した演出家が、細かなところも含めてしっかり演出していく必要があるだろう。

今後に更に期待したい。


目次に戻る

人気ブログランキングへ

フジテレビ・オン・デマンドジョーカー許されざる捜査官
一話315円、全話1575円